じつは、ブルースリーのヌンチャクは、
映画の小道具が何か欲しいと、彼が沖縄のある空手家俳優に相談した結果採用されたものです。

現実には、ヌンチャクは最弱武器の類で、実戦では物の役に立ちません。

中国大陸には、先端が様々な形状の長柄武器が存在します。
それらに向かってヌンチャクを振れば、一瞬で絡まります。
ヌンチャクは片手で持っていますが、多くの長柄武器は両手持ちです。
片手のヌンチャクと両手の長柄武器が絡まった状態で綱引きすれば、
簡単にヌンチャクを絡め取られて、その直後にグサッと刺されて終わりです。
奪い取れると分かっている人なら、一瞬でブルースリーを串刺しに瞬殺出来ます。

フレイルなどの、実用に耐える同系統の武器が、
両手で持つ使い方が可能な柄の長さになっているのには、理由があるわけです。
片手持ちの短いヌンチャクは、あくまでも護身用の簡易携帯武器であって、
合戦用の長柄武器を持って来られれば、トンファーのような実用性は期待できません。
ヌンチャクと違って沖縄発祥のトンファーが高い実用性を備えていることは、
アメリカの警察が採用して広く普及していることからも明らかです。

実用性の高いトンファーではなく、簡単にナンセンス武器と化してしまう、
ほとんど物の役に立たないものを選択して愛用してしまった時点で、
ブルースリーという俳優の格闘技に関する知識と経験が底の浅いものだった現実が、
武術・格闘技の専門家ならば一目で看破できます。
つまり、映画の作り話と現実の間には大きなギャップがあり、混同出来ないのです。
沖縄の空手家に相談して愛用の武器を決めている時点で、
そこには中国四千年の伝統の歴史など、存在しないことが明らかなのです。