■船幽霊、舟幽霊(ふなゆうれい)

「柄杓(ひしゃく)を貸せ!」と船べりにとりついて、借りた柄杓で
水を汲みいれて船を沈没させると信じられた幽霊。

水難事故など海で他界した人の成れの果てという。その害を防ぐためには、
握り飯を海に投げ入れたり、底の抜けた柄杓を用意したりする。

自分が死んだのを恨んで同じ死に方を他人にも強要する点に、いわゆる地縛霊との
関連性が見られる。同じような伝説は中国南部にも存在する。

近代日本の事例では、太平洋戦争末期に戦艦陸奥が謎の爆発を起し
その後沈没した際に多数の船幽霊が出現したそうな。
水兵は柄杓がないので底の抜けてない桶を渡したにもかかわらず、
多数の舟幽霊が深刻な腱鞘炎になって引退つうかリタイアつうか成仏した。