したけど、しちゃった話は洒落にならないし人も死んだから冗談には
出来ない。
しそうだったけど助かった話。
新潟から東京迄55ft/700HPx2での旅回り。何故か能代で台風に追い付
かれホウホウノ態で何とか津軽海峡を生き残り、台風一過を楽しみ乍
ら犬吠埼沖7マイルを夜間航行。夜間速力18ktにて順調に、あと2時間
で日の出、4時間で東京到着と云う、もう乾杯準備段階のその時。
「どっちゃ~ん」
三メートルは跳ね上がったか...。ほぼオールハンズ状態、ワッチは4
名厨房に1名台風の後片付け整備を船室で行っていた一人の状況、船
首方向は水以外何もなし!。衝撃後停船すると船室から警報「急激な
浸水機関半水没」、機関室後方に水位を移す為前進、増速すると水位
全体に下がりはじめると云うから夜間減速を止めにして全速力航行に
て大方排水。試しに減速するとまた浸水。既に負傷者が三名出ている
ことと残り燃料ギリギリな為、知己の造船所の主人の「ゴルフ仲間」
を通じてそれを叩き起こしてもらい船台を沈めさせておく。一応負傷
者は症状安定していたので船内の重いものや水を捨てて出せるだけの
船足を絞り出し脇目も振らずに全速力で船台に滑り込むと轟沈擱座。
上架して調べると船体は3つに別れる程の裂傷を負い手が入る程の亀
裂が2ケ所。まるで悪夢。怪我人は2台の救急車に分乗し早朝の街へ消
えていった。その当日に船が必要だったが、修理に4ヶ月を要した。
結局何にぶち上がったのか、打撃痕ないので分からず終い。