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雉嫁アフォ

北海道新聞2007年7月20日(金)朝刊・小樽しりべし


パラグライダーの名所留寿都村内
離陸地そばに風向計
土地所有者設置
愛好者ら「移動を」

 〔留寿都〕パラグライダーの名所・留寿都村の橇負山(715メートル)で、
一本の風向計(吹き流し)をめぐり利用者の間でトラブルが持ち上がっている。
離陸地として山頂が一般開放されているが、今月初め、近くの私有地に風向計が
設置されたため、地元愛好者らが「離陸しづらいし、危険」と反発。設置した
土地所有者(61)=ニセコ町在住=に移動を要請している。同じ山でパラ
グライダー教室も開いている男性は「十分飛べるはず」と要請には応じない構えで、
双方の着地点は見えていない。

 同山頂は村有地でルスツリゾートが管理、フライヤーに無料で開放している。
離陸に必要な向かい風が安定して吹くため人気ポイントになっており、三カ所ある
離陸地には村内外から年間約三百人が訪れる。

 風向計は高さ約五メートルで、山頂の別の場所に設置されていたが、今月三日、
市街地が一望できるもっとも高い離陸地に近い斜面に移された。斜面を今春購入した
男性は「今まで立てていた場所がルスツリゾートの管理地だったことがわかり、
自分の土地へ動かしただけ」と話す。

 しかし、地元のスカイスポーツ団体で組織するルスツエリア安全連絡会は
「あの場所では、離陸に危険が伴う」と反発。丸岡健一会長(51)=留寿都村
在住=は「風向計にひっかからないように飛ぼうとすれば、これまで利用していた
初心者はまず無理。上級者でもミスをすれば、ひもなどが風向計のポールにひっかかり、
事故につながりかねない」として十六日、設置場所の変更を男性に申し入れた。

 これに対し、男性は「風向計をよけて飛ぶことができるはず。それができない
初心者はほかにある離陸地を使ってもらえば問題ない。私有地の利用方法に他人が
口を出す方がおかしい。今のところ移動する考えはない」としている。

 こうした事態に、村は「話し合いをしてほしい」と静観し、土地を管理する
ルスツリゾートも「われわれの土地ではないので口は挟めない。当事者で解決
してほしい」(広報)と話している。