このキューに出会う前も、アメリカンカスタムを使っていた。
俺の友人がカスタムを買って、それを試し撞きさせてもらう前までは、そのキューもそれなりに良いキューだと思っていた。
でも一度の試し撞きで、完全にその友人のキューに惚れた。
何回も何回も借りて撞かせてもらった。
友人が買った価格を聞いたけど、とても買えるような値段じゃなかった。
そして2年後、友人が玉を辞める決心をして、そのカスタムをキューショップに売ってしまった。
聞いたら急に金が必要になったらしい。
俺はキューショップに頼み込んで、そのキューを3ヶ月後に買う約束をした。
そして冬のボーナスが出なかったと女房に嘘をついた。
俺は宝物を手に入れたが、女房には今でも悪いと思っている。

キューへの思いが無い人は、価格や性能だけでキューを選ぶんだろうな。
道具として割り切るなら、多分それが正解かもしれないね。
そしてブランドだけでキューを買える幸せな人は、多分何本も何本も理想を求めて買い換えるんだろうね。
または使わないでコレクションしたり。
でも、そんな恵まれた人は少数だと思うよ。
俺は、この一本があれば十分。
この一本に会えて本当に良かったと思ってる。