この親子プロの突き方を見比べると、一目瞭然。お父さんの
五ゼリとは舐めて舐め返すセリが基本なのです。玉がいつでも
手元に四個あるので、安心感のある実践的な突き方ですが、
タッチも多く、マッセが多くなります。もちろんプロですから
タッチが多くなることは百も承知の上で、出来るだけタッチ
しないように突きますが、それでも偶にキューを立てる場面も。

一方、息子さんのセリは完全な一本ゼリで、セリ形になったら
不要な玉の一つをコーナー二つくらい先に送ってしまいます。
この形から三個の玉でセリ続けるのですが、ほとんど舐めて舐
め返すような小さなセリは突きません。クッションから三個の
玉をやや浮かし、リズミカルにポーンポーンというような感じで
セっていきます。いわゆる大きなセリで滅多にタッチはありません。
上級者が見ても思わず呻るようなセリですが、初心者が見ても
リズミカルで楽しいセリだったと思います。天才と呼ばれ、
テレビにも登場しましたが、全日本チャンピョンを2〜3度続けて
とった後、突然ビリヤードを辞めてしまいました。

この親子は私の師匠なのですが、辞めたことは凄く残念なことです。