ウレタン硬化剤で膀胱ガン発症

発がん性があるとされる「MOCA(モカ)」を取り扱う全国7カ所の事業所で、
労働者ら計17人が膀胱(ぼうこう)がんを発症していたことが25日、厚生労働省の調査で分かった。
モカの取り扱いに当たっては、排気装置の設置や健康診断の実施などが義務付けられている。
同省は今月19日、業界団体などに対し、法令順守の徹底を求める注意喚起を通知した。

 モカは、ウレタン樹脂を固める硬化剤に使われる化合物。
国内では約330事業所で約3700人が取り扱い作業に従事している。


 平成28年にモカを扱う静岡県の工場で、労働者ら5人が膀胱がんを発症していたことが発覚。
厚労省が他の事業所でも同様の事例がないか、調査していた。

 この結果、全国6カ所の事業所で、8人の膀胱がん発症者が出ていたことが判明。
すでに発症者が確認されている静岡県の工場でも新たに4人の発症が確認された。

 発症が確認された計17人のうち12人はすでに事業所を退職しているという。
厚労省は事業所の従業員らに対し、労災制度の手続き方法などの案内に乗り出す方向で検討している。