全国の主な23の湖沼のうち15湖沼の漁業資源量は、過去30年間(1978〜2008年)で平均45・1%減少したとみられると、国立環境研究所(茨城県つくば市)が22日発表した。
チームは「外来魚侵入が原因とみられる」としている。米専門誌電子版に論文が掲載された。

国立環境研究所 湖沼の漁業に関しては、農林水産省が統計をまとめているがデータがない部分があり、資源量評価には使われていなかった。
同研究所の松崎慎一郎研究員らは、データのない部分を補う計算手法に着目。1954〜2008年の間に、ワカサギやコイ、エビなどの漁業資源量がどれだけ変化したかを計算した。
このうち数値のばらつきの小さい過去30年以内の漁業資源量を計算したところ、涸沼(鉾田市、茨城町、大洗町)と北潟湖(福井、石川県)で減少の度合いが大きかった。
原因について推計した結果、ブラックバスやブルーギルなどの外来魚侵入の影響が最も大きく護岸改変や水質の富栄養化は小さかったという。
松崎研究員は「外来魚の対策や管理を優先的に講じる必要がある」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/20150125-OYT1T50047.html