缶けり総合スレ [無断転載禁止]©2ch.net
亜里沙「カンケリって何ですか!?」
にこ「言葉通り、缶を蹴る遊びよ。かくれんぼの一種じゃない?」
亜里沙「カクレンボ?」
にこ「やったことないの?」
絵里「亜里沙は最近までロシアにいたから…」
にこ「あ、そう…もう中3じゃ、かくれんぼって歳でもないわよね」
亜里沙「カンケリじゃないんですか?」
にこ「缶けりは広い場所に缶を置いて、どの方向からでも蹴っていいようにしないと…だから家の中とかじゃ難しいわよ。やるなら外ね」
絵里「もう夜だし、明日…いや、次のお休みかしら?」
亜里沙「カンケリ、できないの…?」フルフル
にこ「そこまでやりたいの?…まあ、日も長くなってきたし明日の放課後でも私は構わないけど」
絵里「じゃあ明日やりましょうか…私は生徒会があるから、少し遅れるかもしれないけど」
にこ「何、あんたも一緒にやるの?」
絵里「え。…だって、亜里沙一人じゃ危ないでしょ?」
にこ「いや、車が通る場所じゃなければ別に危なくないわよ。学校のグラウンドとかあるじゃない」
亜里沙「亜里沙、オトノキがいいです♪」
にこ「はいはい。じゃあ明日、音ノ木坂ね」
亜里沙「カンケリ、楽しみです♪」
絵里「そうね♪」
にこ(妹のほうはともかく、あの絢瀬が缶けりねえ…妹には甘いのね)クス
絵里「じゃあ早速、缶を準備しなくちゃ!」
にこ「え?…いや、明日になってから適当にジュースとか買えばいいでしょ?」
絵里「でも、どこにでもある空き缶だったら誰の物かわからないわよ。置いてあったらゴミとして捨てられちゃうじゃない」
にこ「まあ、そりゃそうだけど…いまどき空き缶がそのへんに置いてあっても“缶けりだ”とは思わないし」 亜里沙「どこにでもない缶ってことは…やっぱり、あれかな?」
絵里「ええ。これね♪」
にこ「なにそれ?…何の缶詰?」
亜里沙「свёклаです♪」
にこ「すびょーくら?」
絵里「ボルシチとかに入ってるでしょ?カブに少し似てる真っ赤な根菜なの」
亜里沙「日本ではあまり売ってないから、普段は缶詰を使ったりするんです」
にこ「へー。そんな缶詰があるなんて知らなかったわ」
絵里「これなら、ちょっと目印をつけておけば、すぐに私たちの物だってわかるわよ」
にこ「何もしなくても滅多に見かけない缶だけどね…」
亜里沙「えへへ。早く明日にならないかなー♪」 にこ「んじゃ、あんたたちは慣れてないだろうから…まずは私が鬼やるわよ」
亜里沙「オニはソチ!」パラパラ
にこ「痛っ!?節分じゃないわよ!しかも、それ生の小豆じゃない!」プンプン
絵里「亜里沙。ソチじゃなくて、鬼は外よ」
亜里沙「オニはソト!Хорошо」
にこ「いや、そういう問題じゃなくて…」
こころ「鬼には炒った大豆をぶつけるんですよ」
ここあ「ふくはうちー!」キャッキャ
絵里「えーと…この子たちは?」
にこ「そ、それは…近所の子よ」
亜里沙「キンギョ、逃げるの上手です」
絵里「そうね。金魚すくいって難しいわよね」
にこ「あー!もう。とにかく、始めるわよ!まず誰かが缶を遠くまで蹴って、それから私が缶を取りに行く間に、あんたたちは隠れるの。わかった?」
亜里沙&こころ「はい」
ここあ「はーい♪」
絵里「隠れる場所はどこでもいいの?」
にこ「音ノ木坂から出ないことが条件よ。私が缶を拾って、この円の中に置くまでに隠れないとダメだからね」
亜里沙「あとはカクレンボと同じですか?」
にこ「私があんたたちを探しに行ってる間に、誰でもいいから隠れてる場所から私に見つからないように出てきて缶を蹴ったら、あんたたちの勝ち。その前に私が全員見つけて、缶を踏んで名前を呼べば私の勝ちよ」
絵里「じゃあ、私たちはとにかく矢澤さんに見つからないように缶を蹴るだけでいいのね」
にこ「そ。…つーか、名前で呼びなさいよ。そのほうが、あんたが鬼になったとき呼びやすいでしょ」
絵里「そうね…じゃあ、にこさん?」
にこ「にこでいいっての。私も絵里って呼ぶから」
亜里沙「にこ!」
にこ「あんたは“さん”をつけなさい!」
亜里沙「は、Хорошо…」
絵里「じゃあ、にこ。私が缶を蹴るわ」
にこ「いや、ちょっとは遠慮しなさいよ…最初くらい年下に譲りなさい」
亜里沙「えーと、一番年下は…」
ここあ「はーい♪ここあやる!」
カコン こころ「さすが、いつもボールを蹴っているだけありますね」
ここあ「えへへ♪」
絵里「みんな、急いで隠れましょう!」
亜里沙「ど、どうしよう…?」ドキドキ
タタタ…
にこ「もうみんな隠れたわね…でも」ジーッ
亜里沙(見つかっちゃう…?)ハラハラ
にこ「そこの植え込み…金髪が見えてるわよ!絵里!」
絵里「ハラショー…もう見つかっちゃった」シュン
にこ「あとは亜里沙たちね…全員見つけてやるわ」タタッ
亜里沙(あっ、今なら行けるかも!?)
こころ「きゃあ!?毛虫がいます><」
ここあ「こころ、しーっ…」
にこ「桜の木の陰に、こころ!ここあ!」
ここあ「あー。みつかっちゃったぁ…」
こころ「私としたことが…」ガクッ
にこ「フフフ。あんたたちもまだまだね」ナデナデ にこ(一番どんくさいと思ってた亜里沙が、意外といい場所に隠れたみたいね。どこまで行った──)
ザッ
亜里沙「Хорошо!」カコン
にこ「しまった!?」
亜里沙「」プルプル←強く蹴りすぎた
ここあ「ありさちゃん、すごーい♪」キャッキャ
こころ「でも痛そうですね…」
絵里「だ、大丈夫?…亜里沙」
亜里沙「う、うん。平気…亜里沙がお姉ちゃんを助けたよ♪」
絵里「頑張ったわね。ありがとう亜里沙♪」ナデナデ
亜里沙「えへへ」
にこ「やられたわ…んで、どうだった?缶けり」
亜里沙「とっても楽しいです♪」
ここあ「もっとやろうよー!」
にこ「もう日が暮れるわよ。続きは明日にしましょ」
こころ「そうですね。…ちょっとお腹も空きましたし」
絵里「じゃあ、私たちも帰りましょうか…」
亜里沙「うん♪」ギュ
ここあ「あしたは、ここあがかつからね!」
にこ「じゃあ明日はここあが鬼やってみる?」
亜里沙「オニのお面、作らなきゃ」
にこ「だから節分じゃないって。ふふふ…」