>>491
>>590
円谷プロとしては、創立三〇周年記念作品にウルトラシリーズをと考えていましたが、自らの営業ではテレビ局を動かすことはできませんでした。
その代わり、三〇周年の記念作品となったのは、一九九三年四月から九ヵ月間にわたってTBS系列で放送された「電光超人グリッドマン」です。
パソコン通信の世界で、ウィルスがプログラムを破壊するという、当時としては斬新な話で、実験番組的な要素の強いものでした。厳密には全国ネットではなく、地方局には番組販売という形をとられたため、放送されない系列局もありました。
この時代、パソコン通信はまだ一般には普及していませんでした。番組の内容を理解できる視聴者が限られれば、本来、放送枠はとれません。
しかし、この番組には、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったパソコンメーカーの富士通が全面協力していました。番組内容のアドバイスはもちろんのこと、番組スポンサーとしての富士通の力が、放送枠取得を後押ししたのです。
つまり、円谷プロ単独では、テレビ局の放送枠をとれませんが、力のある外部の企業の支援が得られれば、多少、普遍性に難があったとしても、TBSの経営陣が円谷プロを毛嫌いしていたとしても、放送することができるのです。