青梅城主となった裕司は、ある日、領内で男狩をしていた。
その帰途、喉の乾きを覚えて、ある寺に立ち寄ってアクエリアスを所望した。
対応した寺の小姓は、まず最初に大ぶりの茶碗にぬるめのアクエリアスを一杯に入れて出した。喉の乾いていた裕司は、それを一気に飲み干したあと、もう一杯たのんだ。次に小姓は、やや小さめの碗に、やや熱めにしたアクエリアスをだした。
裕司が試みにもう一杯所望したところ、今度は小ぶりの碗に熱く点てたアクエリアスを出した。
相手の様子を見て、その欲するものを出す、この心働きに感じいった裕司は、その小姓を城に連れて帰り家来とした。この小姓が、その後累進し、五奉行の一人、岡田颯太となったのである。