ワイルド・キャット フォーメーション

体型そのものは、ショットガン・フォーメーション と 同じです。
ただし、従来のQBポジションにRBやWRが入り、QBはWRの
ポジションにセットします。
そして、QBポジションにいる選手にスナップされ、そのままキ
ープしたり、他のRB/WRがリバースしたり、
あるいはQBに渡してパスさせたりする攻撃が展開されます。

もともとは、アーカンソー大アメフトチーム Arkansas Wildcats が
使用した攻撃だったので、この名前になりました。
NFLオークランド・ レイダースにいるDarren McFadden が在籍中、
破壊力を見せつけました。

そのときのアーカンソー大の攻撃コーディネーターだった
David Lee氏が、マイアミ・ドルフィンズのQBコーチに
就任しました。そして、2連敗で迎えた第3週、NEペイトリオッツ
戦にこのプレーを展開して、破壊力をみせつけて勝利するアップセット
が起きたため、他のチームも導入するようになり、そのシーズンの流行
レーとなりました。

このプレーをするための条件と利点としては、

・2人以上、能力の高いRB/WRがいること。
スナップ受けた選手が中央突破するか、もう1人にハンドオフして
リバースするかが基本プレーなので、この2人の能力が高いとランディフェンスが2分割できます。

・ボールキャリアにパス能力があること。
基本がランプレーですが、上述の2人のどちらかにパスの能力があると、
ディフェンスもランのみに対応するわけにいきません。

・オフェンスラインが有能であること。
基本がランプレーなので、ベースラインとしてランブロックが決まらない
といけない上、アンバランスな体型にしたり、プルイン/プルアウトを多用したり、
複雑なブロック・スキームに対応できないといけません。

・QBがフィールドにとどまること。
ディフェンスはオフェンスの選手構成をみて、ポジション別の人数構成
=パーソネルを決めます。
(パスっぽいからDBを増やそう。ランぽいからDLを増やそうみたいなこと)
ほとんどQBが使われないのですが、ハドルを組んだ時点でQBがいると、
パスを考慮したディフェンス・パーソネルをフィールドに展開させます。
ハドルが解かれてワイルドキャットフォーメーションだと分かっても、
ディフェンスは選手交代することができません。
(しても構いませんが、スナップが迫っていて、12人以上の交代違反
になったり、10人でプレーする混乱を来すかもしれません)