日大反則タックル問題 監督辞任で済まない理由

日大の内情に詳しい現役の評議員はこう話す。

「来年は、創立130年という記念すべき年だ。国内企業の社長の出身大学トップは、長年日大。
校友同士の絆も強く、OBは日大出身ということに誇りを持っている。それが連日、テレビの
報道番組やワイドショーで日大、日大……。問題を起こしたアメフトの監督は、追い込まれて
ようやく取材陣の前に出てくるという始末だ。日大の恥。そいつが常務理事だというのだから、
話にならない。監督辞任は当然。大学としては、保健体育審議会の役職も、常務理事の肩書も、
さっさと取り上げるべきだろう。できないのは、内田が田中理事長の側近だから。内田は、
話されたらまずいことを知る立場なんだ。これでは、130周年を祝うことなんかできない」
 
たしかに、内田氏は、田中理事長の側近中の側近。常務理事である内田氏を辞めさせた場合、
同氏を重用してきた田中体制が揺らぐのは必至だ。田中理事長としては、内田氏を守らざるを得ない。
今月18日に開かれた同大の理事会では、これだけ世間を騒がせているにもかかわらず、
アメフト部の問題は議題にすら上らなかったという。大学組織がマヒしているのは確かで、
すべての対応が世間の常識から外れていくのには、こうした背景がある。
 
日大は、田中氏が理事長に就任してから、おかしくなった。理事長自身の反社勢力との関係が
取り沙汰され、利権に関する話も絶えない。反則タックルの学生が在籍するスポーツ科学部は
田中理事長が強引に作った学部だが、英語講師の雇い止めや、学習塾に授業を任せるという
不適切な実態が明らかになっており、「スポーツ科学部と危機管理学部は失敗。教員不足で
授業内容も大学レベルに追い付いていない」(日大職員)といった状況だ。かつての日大では、
理事長の独断でムダな学部を作るなどという愚行は起き得なかった。それだけ組織が腐った
という証左だろう。学生不在の歪んだ権力を守るために内田氏を庇うというのなら、
日大に“最高学府”としての資格はあるまい。
 
ちなみに、記者も日大OB。内田氏だけでなく、田中理事長にも辞任勧告を出しておきたい。
日大の歴史を汚したのは、間違いなくこの連中だからだ。

http://hunter-investigate.jp/news/2018/05/post-1202.html