点滴用カート20分放置 北九州の産業医大病院 会見で謝罪
西日本新聞 11/24(木) 10:43配信
点滴用カート20分放置 北九州の産業医大病院 会見で謝罪
穴が開いた点滴袋が見つかったカートの同型品。右上部分に鍵穴がある(産業医科大病院
提供)
 点滴袋に先月に続いて穴が開けられていた産業医科大病院(北九州市八幡西区)で23日、
佐多竹良院長らが2回目の事件後初めて記者会見し、管理態勢の甘さについて謝罪。前回
の事件で鍵が盗難後も使用を続けていた点滴輸送用のカートは、穴が発見される前の約20
分間、無人で放置されていた可能性があることも明らかにした。
 病院によると、事件現場の9階病棟の看護師が穴が開いているのを確認したのは20日午
後0時23分。点滴袋は同日午前11時20分、病院地下1階の薬剤部で職員2人が異常がないの
を確認後にカートに積み、別の職員が施錠した。30分後、業者がエレベーターで9階の
ナースステーションに運んだという。
 ステーションに到着直後、リーダーの男性看護師がカートの鍵を開け、点滴袋に異常
がないのを女性看護師と確認して再び施錠した。午前11時55分ごろからの約20分間、看護
師2人は入院患者の昼食配膳で退室。その間、カートは室内に放置されていた。この時間
帯の看護師シフトは2人を含めて計7人だったが、他の5人も室外にいたという。
 病院では10月20日の事件時、カートを含む鍵計6本が9階のナースステーションから盗
まれたが、病院はその後も合鍵を使用。変更しなかった理由について、佐多院長らは
「カートは全部で31台あり鍵は同一。(変更には)時間がかかるので継続使用していた」
と説明した。
=2016/11/24付 西日本新聞朝刊=