アジアで4位の厳しい現実、それでも金メダルを「諦めない」 監督・中田久美の覚悟

「東京五輪で金。諦める理由はない」
 東京五輪で金メダル。
 監督就任後、いかなる状況でもブレずに、中田はそう口にし続けて来た。
 2020年までのプランはできているとはいえ、どんな経過を歩もうと、評価されるのは結果。それは選手時代から嫌というほど味わってきたからこそ、誰よりもわかる。
メダル獲得が目標ではなく使命であったアジア大会で4位に終わった事実、厳しい現実がどれほど重いものか、ということも。
 それでも、何もできない歯がゆさに涙するような、たとえ惨めな敗戦の後でも。アジア大会でメダル獲得を逃がし、悔しさを噛みしめながらも。繰り返し、何度でも言い続ける。
「勝負の世界なので勝つこともあれば、負けることもある。厳しいことはわかっています。でもだからといって諦める理由はない。
大事なのは負けをどう生かすかだと思うし、私は絶対、勝つことに対して妥協はしないし、したくない。たとえ勝つのが難しくても、もしもそこで選手が『勝てない』と思っているなら、それは大きな間違いだから。
もう1回やってみよう、明日もやってみよう、って何度も繰り返しているうちにパッと選手の表情が変わって、試合に勝ったらこんなに嬉しいことはない。
それこそ監督冥利に尽きるな、と思うし、それがチームだし、そうやって選手を本気にさせることが、監督の仕事だと思うんですよ。
だから、私はブレない。それだけは絶対、揺るがないです」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakayuko/20180911-00095561/