大林「面談といえば去年、宮下と駅で一緒になって、『どうだった、面談』って聞いたら『私、呼ばれてなくて…。忘れられているかもしれない…』っていってて。
『うわーっ、久美さん、すごいな』と思った」

 中田「自分が忘れられているんじゃないかと思っているところで呼ぶ、みたいなね」

 大林「心理的な作戦が大きかった。あれで選手を引きつけましたよね」

 《昨年のグラチャンは新鍋と内瀬戸を中心とする安定したサーブレシーブから攻撃を展開する戦略で臨んだ。
だがバックアタックを打てない2人が後衛、セッターが前衛となったとき、前衛2人に限られた攻撃は相手ブロックの的になった。バックアタックを打ちきれる選手が課題となった》

 中田「去年のメンバーで、ライトからのバックアタックも考えたけど、絶対に決まらないと思った。
それならパスを返してレフト2枚でも、上げて、ブロックアウトとかワンタッチとか、リバウンドしてから切り返す作戦の方がいいと思ったんだけど、負けたらすべて言い訳になる。
アウトサイドは身長が低い分、相手のブロックを利用した打ち方や機動力を追求しないと。そのためには安定した1本目(サーブレシーブ)の質が大事なんじゃないかと思う」

 −−そのサーブレシーブは低く、速くセッターに返すように求めている。
従来、速い攻撃は、サーブレシーブは高く大きく返して、セッターのトスでスピードを付けるというのが一般的だった

 中田「速く返せとはいっていない。テンポを変えろといっている。スパイカー陣が準備できていないのに速いパスを返しても、それは失敗。
セッターの立場からして、バーンと上げられたボールで速攻を使うのは、すごく難しい。ある程度、セッターも相手のブロックとか動きを視野に入れてトスを上げる。
その(パスの)高さは、そんなに高くない。そこをコントロールする技術を付けてねといっている。きっちりAパス(セッター近くに返るサーブレシーブ)を返せる技術があれば、高くても低くても返せる。
1本目を高く上げておけとなったら、1本目をパスする人は何も考えず、上げた、上げないで終わる。だがバレーはその先2、3があるスポーツ。
それを考えると、真上に上げるのが最高の技術ではないと思う。そんなにめちゃくちゃに速かったら(セッターが)上げづらくてしようがないでしょ」