大林「そうした中で、今年のテーマは」

 中田「サバイバル。最終的には『自分が点数を取るんだ』くらいの勝負強い選手がほしいね。良くも悪くも、もう少したくましくなってほしい。人間力が上がらないとチーム力は上がらないので、そこは引き続き…」

 大林「厳しく?」

 中田「いや、優しく丁寧に(笑)」

 大林「久美さん、すごい優しいですよね。特に監督になって変わった」

 中田「イタリアへ(コーチ修行で)行って変わったかもしれない。孤独になり、何もかもリセットして、何となく自分の人生を考えるじゃないですか。現役時代の私はとんがっていたけどね」

 大林「選手にもとんがってほしいですか」

 中田「話をすると、けっこうみんな、いろんなことを考えている。それをなかなか言葉にしない。その部分も引き出してあげられるようにしたいな、というのはある」

 大林「精神的に選手をどう育てるか。2年目の中田監督の、そこに一番興味があります」

 中田「まだまだ学ぶ立場、選手と一緒に成長していく感覚なのでね。成長は選手の方が早くて、その先を行かなくちゃいけないので、毎日必死」

 大林「今年のメンバーの役割は」

 中田「若い選手、黒後や井上には思い切りチャレンジしてほしい。ネーションズリーグでは積極的に使いたい。まずは一人ずつ面談して、しっかり伝える」

 《ネーションズリーグ=今年発足する国際大会。昨年までの女子ワールドグランプリ、男子ワールドリーグを発展的に統合。
16カ国が4組に分かれて行う総当たり戦を、週ごとに組み替えて実施。上位5チームが決勝大会に進み、開催国を含む6チームで戦う》