首相が自分を批判する国民に向かって「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と言っちゃうのだから、こういう考え方(国民を味方と敵に分ける考え方)が政府や自衛隊の中に波及するのは当然とも言える。
加えて、現政権の下で自衛隊内での精神教育も相当右に偏ったものになっていることが懸念される。

元々、自衛隊内部では、自衛隊の活動を批判する国民を「反自衛隊勢力」などとレッテルを貼り、民心をどちらが獲得するかという情報戦として捉えて対抗する考え方があり、
イラク派遣の際は派遣に反対してデモや集会をやる国民を情報保全隊が監視・情報収集していたことが明らかになっている。

これは、「部隊保全」「間接侵略対処」を口実にずっと昔から自衛隊の中の情報部門が密かにやってきたことだが、
統合幕僚監部の幹部自衛官が公然と、しかも自ら自衛官と名乗った上で国会議員に対して「国民の敵」と罵倒するというのはちょっとレベルが違う話だ。

自衛隊が、外国のスパイや自衛隊の破壊を目論む勢力の組織への潜入を阻止するために一定の対策をとるのはあり得るだろうが、
民主国家における健全な政府批判まですぐに「反日」「中国の手先」などとレッテル貼りするネトウヨ思想が自衛隊にもじわじわと浸透しているとすれば、非常に危険だと思う。