「(Samael)」はヤの死の天使。
転じて、中世には「神秘学」に於ける堕天使、悪魔と見なされる様になった。
天上に於いては最高位の大天使の一人にありながら、
先端に胆汁を塗った槍を持ち、
吠える犬達(地獄の犬)を先頭に立てて人間に死を広めているという。
……非常に強大な天使であると云う説があるにも関わらず割と不遇な伝承が多く、
特に人間に痛い目に遭わされる事が多い。
十二枚の翼を持つ赤き・(古きS)であると言われ、
デンの園でダムとヴァを誘惑した「S」の正体ともされる事から、
ファー(ン)と同一視された
その正体であるとも、それに匹敵する悪魔であるともされる。
名の意味は「神の毒」で、
セクンダディ(天球の支配者)に於ける火星を支配する大天使の一人。
後述の伝承からか「目の視えぬ者」とされる場合もある(二重の意味で)。
この事から、同じく「死の天使」として知られるカマとも同一視される。