『イザヤの昇天』の中で、
天使と共に昇天した預言者イザはサマ 率いる堕天使達と神の軍勢の戦いを目撃しているが、
サマはここで敵対者(ン)とも呼ばれています。
十三世紀末に出現したカの奥義書『光輝の書(ゾハール)』において、
「毒と死の天使」サマは 悪魔の君主、悪魔の十位階の第八位を示す名前として登場。
大淫婦たる妻イシェト・ゼヌニムと、
この二者が 合一した獣とで地獄の三位一体をなすサマは、ンと同一の存在だと推定されます。
悪魔の君主と大淫婦、 そして獣の組み合わせは『ヨの黙示録』に見られるもの。
カの秘儀において、魂を形成する三つのパーツ、 ネシャマー、ルアク、ネフェシュは
組み合わせ次第で善なる天使ミカにも、悪の理念を体現するサマにもなる。
人間は善の業(カルマ)と悪の業を併せ持った存在。