ヘブライ語の「毒(sam)」に由来
ヤ教においてンと同一視されている天使。
アジアの恐怖の神、サマナがその前身であるとも考えられています。
　偽ヨナタン訳聖書の『創世記』では、
デンのヴを騙して知恵の実を食べさせるSの代わりに死の天使 サマが登場。
ヤ教の伝承ではSと密接に結びついた敵対者、誘惑者として描かれ、
ヴを直接誘惑 するのではなく、そうするようにSを唆したとも言われています。
　また、１９４５年に発見されたナグ・ハマディ写本と呼ばれる
ト教グノーシス文献郡の「AL」の教え では、
サマの素性を「盲目の神」と説明し、
ダムとヴを創造して、性欲をはじめ様々な形質を 条件づけたという。
『ギ語バルク黙示録』では、デンの知恵の木はサマが植えた葡萄の木とされる。
サマは デンに葡萄酒をもたらしたことで「毒の天使」と呼ばれた。
酒に溺れ、酔いつぶれることは神の栄光から 遠ざかることであり、
己のみを永遠の火に委ねることだという。
このため全能の神（エル・シャダイ）の怒り を買い、彼と彼の植えた葡萄の木を呪う。
サマは嫉妬の念からダムを欺き、葡萄酒の味を教えた。
大洪水が地上を一掃した後、大地再生に着手したノは、
デンから投げ捨てられていた葡萄の蔓を見つけ、
天使サラを通して神の許可を得、地上に植える。
葡萄の苦さは葡萄酒となることで、甘さに変わり、 呪いは祝福と変わった。
ローマ・カトリック教会と東方ト教会において、葡萄酒はトの血そのものと考えられています。
しかし、『バルク黙示録』ではサマとダムの罪から生じたもので、
これを通して善いものを打ち立てる ことはできないと強調されているので、
これは執筆当時における飲酒の習慣に対する著者の警告だといいます。