「バルク黙示録」のサマは楽園喪失の原因と葡萄酒の起源として扱われているが、
ヤ教の伝承でもサマがSを唆して間接的にヴを誘惑した話や、
モが神へ祈った際にその口を塞いで妨害したことが語られており、
偽ヨナタン訳聖書ではヴを騙したのはサマとされる。
以上のようにサマはヤ伝承において
誘惑者、敵対者の性格やSとの関連づけられており、
死者の魂から不道徳だけを取り去って天上に登れるようにする
“死の天使”として扱われている。
伝承にはサマを打ち倒せるのはメとイカトリだけで、
サン率いる天使の軍団と常に戦い続ける存在ともいわれ、
また伝承によっては12枚の翼を持つという。
サマはサの原型とみなされており、
時代が降るとともに両者は同一化が進んだとされる。
特に神智学者ブはサマをサ─
「創世記」のヴを誘惑したS、「ヨの黙示録」の赤い・─と同一視。
また、カ哲学では「ゾハール」において地獄の大君主である“毒と死の天使”、
グノーシス主義では物質界を創造した偽の神ヤルダバオートの別名に
“盲目の神(サマ)”がある。