サマはイスラに伝わる死を司る天使。
その名は「神の毒」、「神の悪意」の意味をもつ。赤いSと呼ばれることもある。
サマは謎が多く、元々はローマの守護天使、火星の天使、デンの園に棲んでいたSなど、
様々な説がある。そのため、カマやサと同一視されることもある。
ヤ教では、モの魂を天国に運ぶのに失敗し、この時モの杖で打ち据えられ、
サマの目は潰れ盲目になったといわれている。
一説では、サ(ファー)に匹敵するほどの強大な力を持った魔王であるとされている。
また、十二の翼をもっていたと言われ、ファーと同一視されることもある。
旧約聖書の創世記において、Sがヴァに知恵の木の実について教え、
ヴァとダムは、その実を食べる。
そのために、創造主たる神はSを呪い、人に生の苦しみと死の定めを与え、
人間は死を免れることができなくなったと書かれている。
カにおいては、このSがサマとされている。
バルクの黙示録では、サマはデンの園に葡萄の木を植えたという。
これに神は怒り、サマと彼の植えた葡萄の木を呪いダムが触れることを禁じたが、
これに怒ったサマは、葡萄を使いダムを欺いた。

サマは聖書偽典「ギ語バルク黙示録」などで言及される天使で、
その名はヘブライ語で『毒』を意味する“sam”が語源とされる。
バーバラ・G・ウォーカーは旧約聖書の登場人物サムの名前の由来とし、
ドルイドの死の神サマン(サムハイン)と結びつけている。
彼女はサマンの原型を「アーリア人の死の神サマナ(サーマ)」としているが、
この神についての一次出典は不明。