石橋さんはどちらかといえばヒール役で、「ちょっと怖い人なのではないか」と思っていた。
しかし、目の前に現れたのは、丁寧な挨拶をする紳士だった。

「転機とかチャンスとか、誰でも人生に2〜3回は必ずあると思う。
それをつかむのは、とても難しいのも事実です。運も必要だし、タイミングも必要です。
芸能界だって、実力1割、運9割だと思うんですよ。同年代のお笑いの世界にも、うまい人はいくらでもいた。
でも、実際に残った人は何人かしかいない。
ただ、運をつかむヒントはあるかもしれないと思うんです。たとえば、辛抱です。
辛抱の先に、何かが待っているかもしれない。
「石の上にも3年」っていう言葉があるけど、ホント、昔の人は良いこと言ってる。
これは、何をやるにしても言えることだと思う。努力も大事です。
だって、運とタイミングがそろったときに準備ができてないと、それに乗れないですからね。
だれでも売れ始めると勘違いしちゃうんです。それは避けられない。自分たちもそうでした。
でも、その勘違いの期間をどのくらい短くできるかです。そうでないと、ポジションは見えてこない。
自分たちのときには、実は勘違いを見抜く暗示にいくつも出会いまして。
たとえばクルマをようやく買えて、すごいマンションに住めたのに、なぜか駐車場がないとか(笑)。
それで、憲武(とんねるず木梨)と、これはおかしい、チャラチャラしちゃいけない時期なんだと気づいた。
こういうのって、会社員の人にも言えるんじゃないですか。客観的に冷静に自分で判断することの大事さです」