日本競泳陣メダル2個の低迷 平井伯昌リーダー嘆き節「弱くなるときは一瞬」復活ヒントは自己新更新の32歳に【福岡世界水泳】



 日本競泳陣が今大会で獲得したメダルは銅2個。目標に掲げた5個を下回った。前回の福岡開催だった2001年以降、最少の数字だ。低調な結果に終わり、平井伯昌パリ五輪プロジェクトリーダーは「メダルを取れる選手が減っているし、決勝に残る選手が少ない。弱くなるときは一瞬なんだな、と感じた」と厳しい表情を浮かべた。


 世界記録が10個誕生した中で、日本記録はなし。自己ベスト更新者も4人にとどまった。海外選手との勝負以前に、多くの選手が4月の代表選考会からタイムを落としており、強化、調整の面で課題を突きつけられた。

 オーストラリアは5週間前に国内選考会を実施。ピークのまま迎えた今大会で最多の金メダル13個を獲得した。日本は代表を選出後、海外に派遣して経験を積ませる方針を取っているが、平井リーダーは「大きく考え直す時期に来ている」と話した。代表合宿の少なさも苦戦の要因と分析。「年間を通じた強化体制のシステムも含めて変えないと」と語った。

 01年の福岡大会では当時18歳の北島康介が男子200メートル平泳ぎで銅メダル。北島は翌02年に世界記録を樹立し、04年アテネ、08年北京と五輪2大会連続で平泳ぎ2冠に輝いた。他にも寺川綾、中村礼子らが飛躍への礎を築いた。

 平井リーダーは「この大会を経て(その後の活躍に)ぐっとつながった感じがある」と振り返り、「今は金メダリストになる若いやつを…となるとよっぽどの意識改革が必要」と頭を抱える。