角界の度重なる暴力事件をあってはならないことと断じ、公益性が問われると問題提起、理事選への決意表明をしたその親方が、
あろうことか弟子に暴力を振るっていたという衝撃の証言が出てきた。

 貴乃花部屋の元力士、貴斗志が、相撲協会を相手取った訴訟の中での証言がそれだ。

■口の中は切れ血しぶきが…

 貴斗志は14年に引退するも、親方が勝手に引退届を提出したとして、15年3月に相撲協会を相手に地位確認などを求めて東京地裁に提訴。
一度は棄却されたものの、控訴し、現在は東京高裁で争っている。

 一連の裁判記録の中に出てくるのが、貴乃花親方の付け人だったという元力士の証言。
貴斗志の解雇は不当と訴えると同時に、自身が貴乃花親方に振るわれたという暴力についても告白している。

 陳述書によれば、13年の11月場所中、貴乃花親方が急きょ、審判部長の代理を務めることになり、元付け人は紋付き袴の準備に追われた。
他の雑務を抱えていたこともあり、洗濯を同期の力士に任せたが、その力士が洗濯を忘れた。すると翌日、貴乃花親方から「洗濯物がないぞ」と呼び出された。

 元付け人は事情を説明して謝罪したが、貴乃花親方に胸ぐらをつかまれ、往復ビンタを10発ほど浴びたうえ、拳でも顔面を10発以上殴られたという。

 口の中は切れ、血しぶきが飛び散った。下着姿だった貴乃花親方のTシャツにも返り血が付着した――。

 以上が、元付け人が師匠に振るわれた暴力の一部始終らしい。