その裏には2014年4月に起きた大島部屋(親方は元大関・旭國)の存続問題に端を発した白鵬と宮城野親方との確執があるとされる。
モンゴル力士の受け入れを宮城野親方から拒否されて以降、白鵬は各界内で自分の勢力固めに走っているという。

 かつて角界では、日大相撲部出身の日大閥が強かった。しかし現在では、鳥取城北高校OBグループが台頭。
幕内から序ノ口まで10人で、筆頭は昨年の九州場所で快進撃を見せた前頭・逸ノ城。このグループに白鵬は大きな影響力を持っている。

 現在、白鵬には4人の内弟子がいる。初めて内弟子となったのは、鳥取城北高1年生で高校横綱となるなど19のアマタイトルを獲得し2012年3月場所で、幕下付け出しでデビューした大喜鵬(現・山口)。

 2人目は同高相撲部監督の息子で、2013年1月初土俵、今場所新十両に昇進を果たした石浦である。

 山口と石浦は中学・高校の同級生。
山口は春日山部屋への入門が内定していたのを、白鵬が城北高監督の後押しで口説き落としたといわれる。
一方の石浦は、白鵬が監督に「絶対に関取にする」と確約して内弟子にとった。

 その後、白鵬は2013年の初場所初土俵の原田に続き、同春場所でも鳥取城北高OBの谷川山を4人目の内弟子として入門させている。

「今や白鵬は、有力な力士供給源である鳥取城北ルートを掌握しただけでなく、12人の力士が所属する宮城野部屋の中に、事実上自分を含めた5人の“白鵬部屋”力士を抱えている。

 宮城野親方は白鵬の内弟子たちには何も指導できない。部屋は分裂状態です」(相撲ジャーナリスト)

※週刊ポスト2015年3月20日号