日馬富士暴行問題、10年前時太山父が憤り「相撲界変わってない。俊の死は何だったのか」

 大相撲の横綱日馬富士が平幕貴ノ岩に大けがを負わせた問題を受け、2007年6月に起きた力士暴行死事件の被害者で、
時津風部屋の元序ノ口力士斉藤俊さん=当時(17)、時太山=の父正人さん(61)が14日、新潟市の自宅で取材に応じ
「相撲界が変わっていないことに強い怒りを感じる」と訴えた。

 「俊の死は何だったのか。日本相撲協会の再発防止策はその場しのぎで、身内に甘い体質はそのままだったのではないか」。
繰り返される不祥事に、憤りをにじませた。

 事件は07年の名古屋場所前、愛知県犬山市の宿舎の稽古場で、当時の時津風親方や兄弟子が激しい暴行を加え、俊さんが外傷性ショックで死亡。
元親方ら4人が傷害致死容疑で逮捕され、元親方は懲役5年の実刑、兄弟子3人も執行猶予付きの有罪判決が確定した。

 「当時は強い気持ちを持って裁判に足を運んだが、結局何も変わらなかった。情けなく思う」と正人さん。
数年前にストレスなどで体調を崩し、最近は散歩の時もつえが手放せないという。
 俊さんが亡くなって10年が過ぎたが、テレビで相撲を見ると今も鳥肌が立つ。脳裏に浮かぶのは、自宅に運ばれた傷だらけの息子の姿。
「周りから『もう忘れなさい』と言われるが、あの時から時間は止まったまま。元気だった頃の様子を思い出すのが難しい」とうなだれた。

http://www.sanspo.com/sports/amp/20171114/sum17111418310018-a.html