【独自】みずほ、新システム導入後に要員6割減らす…トラブル遠因になった可能性
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210830-OYT1T50353/

 システム障害を相次ぎ起こしたみずほフィナンシャルグループ(FG)が、新しい中枢システムを全面導入した後に担当の社員数を
4割に減らしていたことが30日、わかった。運用や保守・管理に関するノウハウが十分に引き継がれずトラブルの遠因になった可能
性もあるとみて、金融庁はみずほ側に原因究明を求めている。

 2019年に導入された中枢システム「MINORI(みのり)」の運用には、21年3月末時点でみずほ銀行やみずほリサーチ&テクノ
ロジーズなどグループ会社で計490人が関わっている。全面稼働に向けた作業が本格化していた18年3月時点の約1140人に
比べて6割近く少ない。開発担当者らがグループ外向けの業務に配置転換されたとみられる。

 みのりは、預金や融資、決済といったサービスごとにシステムを構築する先進的な仕組みで、他の大手行のシステムより複雑で
運用の難易度が高いとされる。一般的にシステムの稼働後は開発段階に比べて担当人員は少なくて済むものの、金融庁幹部は
「異動した人員規模が大きく、ノウハウや技術の低下を招いた可能性がある」と見ている。

 同庁は、システムの管理態勢に対する経営陣の認識に問題があったとして、みずほに業務改善命令を出す方向で調整している。