平成31年3月16日(土) 日経電子テクノロジー
「高血圧、ワクチンで治療 生活習慣病対策に免疫活用」
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過剰なカロリー摂取や運動不足などによって発症する高血圧や糖尿病などの
生活習慣病は、薬による完全な治療が難しい。この難題を、体に備わる防御
システムである免疫を使って解決しようとする研究が注目され始めた。
感染症をワクチンで予防するように、免疫の働きで生活習慣病を抑えこむ戦略だ。
研究者は効果的な治療法として実現を目指している。

      ( 中 略 )

大阪大学の中神啓徳寄付講座教授も、B細胞に抗体を作らせて血圧を下げる
ワクチンの開発を狙っている。高血圧マウスの血圧を1〜2割下げた成果を
15年に発表した。高血圧に伴って発症する動脈硬化や心臓の肥大も改善できた
という。

★阪大発の製薬ベンチャー企業のアンジェス★が、18年にオーストラリアで
臨床試験を始めた。
24人の高血圧患者の協力を得て効果を調べている。
同社は、大手の製薬企業へこの技術を導出し、実用化を目指す考えだ。

      ( 以 下 略 )

(科学技術部 草塩拓郎)