名誉には以下の二つの名誉があります。

@外部的名誉 = 社会的評価
A内部的名誉 = 名誉感情(自尊心が傷ついた、不快な思いをした)

刑事では@外部的名誉が侵害された場合にのみ犯罪とされます。
B名誉毀損罪 = 事実の摘示によって社会的評価が低下した場合
C侮辱罪 = 事実の摘示がなく社会的評価が低下した場合

民事では@外部的名誉とA内部的名誉の両方が問題となります。
民法第709条(不法行為による損害賠償)
『故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。』
 BCは犯罪行為ですので当然不法行為となり、損害賠償責任を負います。
 BCに該当しない(刑事事件として処罰されない)@事案と、Aの一部は不法行為として損害賠償責任を負う可能性があります。
 ・Aの一部とは、当該行為が「社会通念上許される限度を超える侮辱行為であると認められる」場合が該当します。
 ・該当するかどうかは裁判官が判断することになります。(判例ではバカ、ブスなど)

刑事と民事とを区別せずに不安がる人がいますが、「社会的評価の低下がある場合」と「名誉感情の侵害」のみの場合だけでも区別できるようになると不安の低減に繋がるかと思われます。
民事ではB名誉毀損(罪)とC侮辱(罪)の区別はなく、慰謝料等の損害額の算定に若干の違いが出るだけです。
@外部的名誉とA内部的名誉の区別が最も重要で、Aの場合の慰謝料は0〜20万円程度とされ、受忍限度を超えるものでなければ原告請求棄却もあり得ます。