義母殺害の女に懲役9年求刑
09月28日 19時04分

去年8月、若狭町の住宅で義理の母親を包丁で刺して殺害した罪などに問われている72歳の女の裁判員裁判で、検察は、女には完全な刑事責任能力があったとして懲役9年を求刑しました。

この裁判は、若狭町神子の無職、大音清子被告(72)が去年8月、自宅で当時89歳だった義理の母親の左胸などを包丁で刺して殺害したほか、夫を殺害する目的で胸を包丁で刺して軽いケガを負わせたとして殺人と殺人未遂の罪に問われているもので、犯行当時、大音被告に刑事責任能力がどの程度あったのかが争点となっています。

28日の裁判で、検察は「犯行の主な要因は被告の衝動的な性格と介護の負担や経済的不安だった」と指摘した上で、「精神障害の影響は限定的で、善悪の判断や行動のコントロールができていたことは明らかで完全責任能力があった」と主張し、懲役9年を求刑しました。

これに対し弁護側は「軽度の知的障害などにあわせ介護負担や経済的不安で重度の適応障害を発症し、善悪の判断が非常に困難な状態だった。また、判断できても犯行を思いとどまることが非常に困難だった」などと指摘した上で、被告は精神障害による心神耗弱だったと主張し、執行猶予付きの判決を求めました。

裁判は28日で結審し、判決は10月2日に言い渡されます。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/20200928/3050005870.html