新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)で「封鎖」状態となった中国湖北省武漢市の市長は、移動規制を敷く前に約500万人の住民が市外に出たことを明らかにした。
彼らの行き先を、中国メディア「第一財経」が航空便の動きや企業から入手したビッグデータから分析。日本など主な渡航先となっている国で、比較的多くの感染者が出ている傾向が明らかになった。

 武漢市では23日に住民の移動規制が始まったが、周先旺市長は26日、「春節や感染症の影響で約500万人余りが武漢市を離れた」と明かした。これを受け、第一財経はIT大手「百度」の地図サービス利用者の移動データを分析。
1月10〜22日に市外に出た人の6〜7割は湖北省内にとどまっていたと伝えた。

 第一財経は昨年12月30日〜1月22日に武漢を出発した飛行機の座席数から、国外への渡航者数も予想。
最も多かったのはタイで、最大2万7千人が訪問。2位の日本は約1万8千人、3番目はシンガポールで約1万1千人との結果だった。

 この3カ国は30日現在、中国を除き、感染者が多い国のトップ3を占めている。(北京=高田正幸)

2020年1月31日 18時38分
https://www.asahi.com/articles/ASN105VX8N1ZUHBI033.html