【交響詩篇エウレカセブン】について語るスレ [無断転載禁止]©2ch.net
十二話から急に神がかった展開になっていったな
OPも神だったし
馬鹿にしてて悪かったな、謝るぜ 「○○と思っていたのが、実は△△でした。」
という、トリックを積み重ねてストーリーを作るのは、ヘタな人間が脚本書いても、
視聴者を置いてけぼりにするだけ。
視聴者にとって面白い作品にするならば、ドラマをきちんと作って、
トリックに説得力を与える必要がある。
しかもこの脚本家はストレートに熱血をさせると、失敗するのが怖いからなのか、
すぐにギャグで保険をかけようとする。
こっちは、ミエミエなんだよ。
堂々としたドラマを作る能力が無いってことをさ。
エレナは、異世界から来たアオに憧れを抱いていた。
自分も同じ人種と思っていたがそうじゃなかった。
急にアオが遠い存在になった。
嫉妬が憎悪に変わった。
アオになぐさめられても、自分だけを特別に見てくれるわけでもない。
クォーツガンを撃たせようとするのは、ある意味自殺願望。
で、このテーマを正面から堂々とドラマにするとしたら、
今、自殺願望を抱いてる視聴者に向けてのメッセージが無いとだめだ。
このアニメを見て、自殺を思い留まろうとか、勇気をもらえたとか、
視聴者の心を動かせることが出来たなら、アニメも捨てたものじゃない。
そんなに大げさに構える必要は無いかもしれないが、
すこしでも、良いアニメを作って視聴者にハートに届けようという気概があれが、
ラストシーンが、トゥルースの変顔で終わるなんてことはありえないはずだ。
そうだろ? では、どうすればよかったか?
これは難しい。が、とにかく考えてみよう。
自殺願望を抱くというのは、おおむね、自分が孤独を感じているからだ。
コミュニティに溶け込めず、自分は異物で、疎外感を常に抱いてる。
これは、当初のアオにも言えることだ。
それならアオは、もっと親身にエレナの感情に寄り添えたのではないだろうか?
「俺はエレナと一緒にいたい!」この台詞は良い。しかし、
「フレアもチーフもノアも、みんなと一緒に居るんだ!」これを言うとギャグにしかならない。
しかし、笑いの幸福感で、視聴者のネガティブな感情を打ち消すというのも悪くは無いが、
それはそれで、もっと押してくるべきだ。
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近くで見守っていたトリトン号が、直ちにエレナの回収に向かう。
「どこまでいっても、同じ空の下だ。」とエレナがつぶやいた後、
トリトン号が空から舞い降り、エレナを回収。
格納庫に収容されるやいなや、乗員総出でエレナをコクピットから引きずりだす。
有無を言わさずエレナをコクピットに連れて行く。目の前にはイビチャが仁王立ち。
エレナは「怒られる!」と思って身をすくめるが、イビチャはエレナの肩に手を置き、
すべてが無かったかのように「ここが、エレナの家だ。」と言う。
エレナ、緊張の糸が切れて号泣。
(つづく)
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ポイントは2点。
エレナを強引にコミュニティに引き戻し、暖かく、力強くエレナを受け止める人物がいること。
エレナを号泣させること。 AO22話のみどころ
1万年後。成長したレントン。
声変わりしたせいか、ホランドのしゃべり方によく似てる。
それはそれとして、トゥルースの設定の説明で尺を取りすぎですよね?
トゥルースがいなければ、他のドラマに尺を回せましたよね?
アオとナルのドラマも、もうすこしなんとかなったんじゃありませんか?
今回のテーマは、アオのニルバーシュにはアーキタイプが無いから、
アーキタイプ内蔵のIFOには勝てないってことを言いたいんですよね?
で、コーラルキャリアの人は、濃いトラパーにさらされると死ぬって設定も、説明したいんですよね?
その設定の説明をするだけなら、トゥルースはいらないですよね?
ゲネラシオンブルに秘匿していたアーキタイプ内蔵のIFOが、大量のクォーツに触れたせいでひとりでに暴走、
トラパーをばらまきながら沖縄に接近中、
阻止しなければ、沖縄のコーラルキャリアの人が全滅する、でいいんじゃないんですか?
最終話で、トゥルースがアーキタイプになって、アオのニルバーシュのIFOの戦術支援プログラムになったから、
レントンのニルバーシュと性能が互角になった、って、(無くてもいい)オチをつけたいわけですよね?
でも、アオは、最期までトゥルースとわかりあえてないんだから、
トゥルースが戦術支援プログラムになってもキモチワルイだけですよね?
アオも苦笑いするしかないですよね?
それでも、この作品にトゥルースは必要なキャラだったんですかね? では、どうすればよかったか?
トゥルースを引っ張るという前提で考えるなら、アーキタイプ内蔵のIFOと合体して、
さらにトゥルースが基地外になったというシナリオが間違いです。
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アーキタイプ内蔵のIFOと合体したトゥルースは、
自分がシークレットだったこと、世界を破滅させたいと考えていたのは間違いだったと、
自問自答して、自分の過ちに気が付きました。
トゥルースは正気を取り戻したのです。でも、もう手遅れでした。
トゥルースの体は、アーキタイプ内蔵のIFOと融合し、暴走し、
自分でコントロールは出来ない状態になりました。
アオは、トゥルースと融合したIFOを止めようと立ちふさがります。
でも、アーキタイプ内蔵のIFOには勝てません。
クォーツガンを使えば勝てるかも?しかしアオは、クォーツガンを撃つのは躊躇します。
そして、トゥルースは、アオと対話を始めます。
「俺は悟ったんだ。間違っていたのは、世界じゃない。この俺だ。
だからそのクォーツガンで俺を撃ってくれ。間違った俺を消してくれ。」
アオは答えます。
「正しい世界か、間違った世界かなんて、誰に決める権利があるんだ!
おまえの存在だって、間違いだと誰が決め付けられるんだ!
トゥルースを消し去るなんて、俺はそんなの嫌だ!」
しかし、暴走したIFOは、沖縄に迫ります。沖縄の人々の命が危ぶまれます。
トゥルースは、最期の力を出し、IFOの動きを止め、クォーツガンの照準を自分に向けさせます。
「アオ、もし、俺が生まれ変わることがあったら、トモダチになってくれるかい?」
「やめろ! トゥルース! クォーツガンを俺に撃たせるな!」
「いいんだ、アオ。これで終わりにしよう。」
そして、クォーツガンが発射され、トゥルースは消えた。
アオの脳裏からトゥルースの最期の言葉が消えることは無かった。 最終話に向けて、敵同士だったキャラが、別世界でコンビになるというなら、
やはり、敵は敵のままで終わらせるのではなく、主人公と和解してから敵を殺すほうが、
よりドラマチックになります。
敵のまま終わらせたり、基地外にさせて終わらせては、主人公と対話も成立せず、
ドラマにはなりません。
なので、悪役キャラを最期まで引っ張るなら、主人公と和解させたほうがドラマとして正解と言えるでしょう。
別世界になってから、唐突にコンビにさせても、ドラマにはなりません。
主人公にとって、苦笑いするしかない、キモチワルイ存在になっただけです。
トゥルースはこれでいいと思いますが、ナルの扱いをどうすればよかったか?
これはちょっとまだ思いつきません。 AO23話のみどころ
Aパートは、そのままだとトゥルースにムカつくだけだが、
>>105みたいにすれば、少しは見れる。
Bパートは、レントン登場で、思い出補整で、難なく見れる。
なにをきっかけに、セブンスウェルが1万年後に起きたのか、もうちょっと説明がほしいが。
クォーツガンを撃つと1万年後にセブンスウェルが起きるということなんだろうな。
光の柱に飛び込むと、クォーツガンが撃たれた世界とつながってるからそこにいけると。
そういうことにしておこう。
レントンが、スカブを破壊してるが、
この世界ではシークレットが味方でスカブが敵ということでいいんだよね?
で、AO24話で、レントンはクォーツガンでスカブを撃って、この世界からスカブを消そうとすると。
でも時空をさまようエウレカと会う手段が無くなるから、アオは父親と戦うことになる。
そこまでしてスカブを消したいのは、トラパーが濃いとアオが死ぬから。
アオは、ナルたちも消してしまうから、スカブを撃つなという。自分は死んでもいいからと。
その息子の心意気に涙し、両親は未来に帰る。めでたしめでたし。
じゃねえ! そもそも、トラパー濃度が高いと死ぬって設定が、
エウレカセブンの世界に似つかわしくない設定なのだから、
それを最期に修正すればいいのだ。
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AO24話のみどころ (改定版)
最期にアオが撃ったクォーツガンの力によって、
アオは、2027年に飛ばされた。
そこでは、スカブに寄生された人体が、
トラパーに免疫を持つワクチンが開発された世界となっていた。
この世界なら、アオも生き延びることが出来るだろう。
ワクチンは、未来の時代にも伝えられていた。
そして、エウレカは、アオの弟と妹の双子を産み、無事に育て、幸せに暮らしていた。
ワクチンを作ったのは、ゲネラシオンブル。
開発責任者は、社長のフレアだった。
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これでハッピーエンドになるんじゃないかな?
沖縄独立ネタは、本当にいらないから。 初代エウレカセブンでも、他の面白いアニメでも、核となるキーワードがある。
「この星を守る!」「君を信じてる!」「みんなで一緒に!」
「行こう!」「帰ろう!」
主人公の目的を明確に表したり、人との友情、信頼を表したり、
一人ではなく、みんなでやろうという、仲間意識を表したりしてる。
皆で力を合わせて、目的に向かって進もう、やり遂げようというテーマだ。
スポーツ根性モノはこのテーマだ。
仲間でなく、好きな人を守る、というテーマだと、ラブストーリーになる。
両者を併せると、「家族を守る」となる。
初代エウレカセブンはこのテーマだ。
これとは別に、「自己犠牲」というものがある。自分を犠牲にして、皆の命を救うというテーマだ。
AOのラストはこれに近い。
しかし、自己犠牲を有効に機能させるには、それなりのお膳立てが必要になる。
アトムが爆弾を抱えて宇宙に飛び去ったように、
自分だけが皆の危機を救える。皆のためには、自分の死をいとわない。
初代エウレカセブンで言えば、アドロック・サーストンになる。
劇中で示されたように、アドロック・サーストンは英雄になった。
自己犠牲を選んだ主人公は、皆の心に残るヒーローとして結末を迎える必要があり、
そうでなければ面白くないのではないか?
誰も望んでいないのに、自分ひとりの考えで、死をいとわない結論を選ぶ、
そして誰も主人公のことを覚えていない。
というAOの結末は、ある意味「悲劇」だ。悲劇なのだから、共感を得難いように思える。
ひとりよがりで行動するのは良くないということだ。 AOのラストを自己犠牲と見るのも何か違う。
アオは、長く生きられない運命を暗示してるし、
結局子供を失ったサーストン夫妻も幸せとは言えない。
サーストン夫妻が不幸なのは、AOの基本設定が間違ってるからなので、そこを直すべきなのだが。
それでも、もうすこし幸せな未来を予見させるラストを提示できなかったのか?
悲劇で終わらせるのは、脚本家の怠慢、職務放棄とも言える。
やはりアオが一人で別世界に行ってしまうのが良くないのだろう。
フレアなりエレナがアオの後をついていって、一緒に別世界の住民となったほうがいい。
アオの将来に希望が持てるし、
サーストン夫妻にも孫が出来るかもしれないと予見させるなら、
そのほうがよりハッピーエンドになる。
そして、アオの行動を第三者が知っている、ということも重要だ。
AOラストで、アーキタイプのトゥルースがアオの行動を承認したとしても、
トゥルースもまた消えてしまうので、あまり意味をなさない気がする。
ずっと一緒だったノアが、ラストで機能しないのも、なんのためにノアを出したのかわからない。 初代エウレカセブンで、デューイが自殺をするが、
あれも、デューイにとっては自己犠牲で星の尊厳を守るという理屈だ。
だが、誰か特定の人の命を守るという意識はデューイには無い。
自分勝手な自己犠牲精神だった。
初代エウレカセブンでは、ホランドなどの仲間のキャラが、
自己犠牲精神で特攻することはあっても、
実際に死んでしまう仲間のキャラはいなかった。
自己犠牲で感動を演出したのは、アドロック・サーストンだけだった。
「自分には守るべき家族がいる」だから、自己犠牲を選んだ。
他の仲間キャラには、「家族」はいない。
守るべき家族のいないキャラが自己犠牲で命を落としても、無意味なのかもしれない。
初代の脚本家は、自己犠牲について、なにかしらポリシーを持っていたのかもしれない。
今気が付いたことではある。
今でも、気が付かされることがあるというのは、本当に偉大なアニメである。 AO23〜24話をあらためて解析しようとしたが、
ナルを筆頭に、キャラが何を考えてて何をしたいのかさっぱりわからん。
アオは何か高尚なことをバトルしながら叫んでいるが、
中身が無いから、何を言ってるのか意味が通じない。
バトルシーンのために、「おまえは間違ってる!」と、とりあえず言わせてから、
何か高尚な理由をつけようとして、失敗してるんだろうな。
この脚本家がそういう性格なんだろう。周
りを困惑させるタイプではないのか?
ナルは、どういう意図があってキャラ設定されたのか、見当もつかない。
ドミニク・アネモネの立ち位置なら、ナルとトゥルースとのラブストーリーをやればいいのに、
そうではないらしいし。
ナルは、スカブの巫女的立場で、トゥルースを導きたかったのか?
でも、トゥルースはそれに応じてないし、アオにも否定されてる。
ただの迷惑な娘になってますよね?
でも、アオにとっては大切な人という設定らしい。
だったらもっと丁寧にアオとナルのドラマを作れよ。ご飯食わすだけじゃなくて。 キャラに「おまえは間違ってる」という台詞を言わせてからストーリーを作ろうと、
どうも、この脚本家は考えているんだろうな。
それも、悪くは無いと思うが、キャラに「自分はこう思ってる」って意思表示をさせてから
ストーリーを作ったほうが良いのではないか?
「こう思う」キャラと、別な考えで「こう思う」キャラがぶつかることで、
そこにドラマが生まれるのだと思う。
トゥルースとアオで言えば、
「俺は世界を壊す存在だ」「スカブかシークレットか、どっちかしかないのか?」とか言ってるが、
「どういう世界にしたいのか?」という明確な意思が無い。
初代エウレカセブンでは、「人とスカブの共生」という、明確なビジョンが提示されていた。
唯一それを明示してるのがナルだという皮肉。
初代エウレカセブンの世界観を打ち壊して、新しい世界観を作ろうとしたが、うまくいかなかったというところか。 AO23話でアオが奇妙な台詞を言っている。
「シークレットが敵だと思っていた。だけどそうじゃなかった。
そしたら今度はスカブが悪いやつで、そして次はトゥルースが一番悪くて。
なんだよそれ?それが真実か?俺は敵を探していただけか?」
いやいやいやいやいやいやいやいやいや。
アオは常に敵を作って戦っていたキャラじゃないよね?
脚本家自身が、ドラマが作れなくて苦しいからって、
アオに投影して変なこと言わすのはやめてくれないかな?
「おまえがシークレットでもスカブでもないから、この世界に居ちゃいけないってのか?
ふざけんな! そんなの誰が決めた! そんな線で引いてわけられるものなのか?
消えてなくなってゼロにして、それでおしまいなのかよ? トゥルース!」
この台詞は、トゥルースがクォーツガンを奪ってから、自殺する直前で言うべき台詞なのだが、
なぜバトル中に言ってるのかわからない。
そもそも、この段階でトゥルースとバトルしてることがおかしい。
ビッグブルーワールドの陰謀のほうが、世界にとって巨悪ですよね?
世界観は壮大なのに、とても小さいところで言い争いしてる感じなんですよ。 AO10話でPRカンパニー・ビッグブルーワールドの陰謀について触れられている。
戦争に、良いも悪いも無い。
宣伝によって、片方を善玉、片方を悪玉にすることができる。
すべてはアメリカに都合の良い結果を出すために。
せっかく、良いテーマが存在するのに、
ビッグブルーワールドはスカブの人体実験に失敗して軍部のあいそをつかされたとか、
一国を地図から消し去るほどの陰謀を矮小化してるし。
最期にトゥルースが敵対すべきは、アオではなくて、
この世界に存在すべきでないスカブを利用して私腹を肥やす
ビッグブルーワールドにすべきだったんじゃあないですかね?
スカブを守るナルが、ビッグブルーワールドと戦うでもいいですよ。
でも、どのみちナルのニルバーシュは撃墜される運命みたいですけどね。 AO23話Aパートのクォーツガンを撃った後の世界で、
アオがナルを撃墜してしまうのは、
面白いけど、やっぱり「悪ノリ」なんだよな。
同人誌ならともかく、プロの脚本家なら、顛末も含めて考えれば、
トゥルースが悪人として登場しない世界では、ナルはアオの善き幼馴染のままだったはずだ。
アオは、ナルを大切な人として考えているという設定ならば、
ナルはアオの味方として、敵のIFOと戦い、アオをかばって負傷した、
というのが、結末を含めて考えるなら、正しいシナリオなはずだ。 AO23話Bパート
ナルが病室で寝ていて、アオが見舞っている。
ここだ!
ここが、アオとナルの和解を描く最期のチャンスだったじゃないか?
ああ、それなのに、このバカ脚本家は、ナルを寝かせたままで、何もドラマを作ろうとしなかった。
だから、ラストのアオの「大切な友達がいるんだ」という台詞が全然生きてこないのだ。
ナルを、アオにとって大切な友達だと再認識させること。
それなのにアオは、ナルに声もかけず、なんで設定の説明してんだよ? では、どうすればよかったか?
病室で目をさまし、アオに声をかけるナル。
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ナル「アオ……、私、なにをしてたんだろう。アオと一緒に飛びたかった、そう思ってただけなのに。」
アオ「ナル、もう、終わったことだ。気にするなよ。」
ナル「私の中にいるスカブが、私に翼を与えてくれた。それは、本当よ! 信じてくれる?」
アオ「ああ、だから、スカブを守ろうとしたんだね。スカブもこの世界で生き延びたいから。」
ナル「アオは、私がスカブに操られてと思ってるでしょ? だから、私がおかしくなったって。」
アオ「そんなこと……。」
ナル「スカブはね、私の命の恩人なの。スカブがウミキョンチュになって、私を守ってくれた。」
アオ「10年前のスカブバーストのこと?」
ナル「私は、スカブに命をもらったの。だから、今度は私の番。スカブは私が守るって決めたの。」
アオ「そう……、だったんだね……。 ナルはそこまで、スカブのことを一生懸命考えてたんだ。」
ナル「アオのバカ!」
アオ「な、なんだよ? 急に?」
ナル「私が本当に守りたかったのは、アオよ!
アオは私がいないとダメだったじゃない! 小さい頃から外人の子だっていじめられて、泣き虫で、
私がアオを守ってた! 私は、アオを守りたかった! ずっと、ずっと! でも、アオは遠くへ行っちゃった!」
アオ「ナル……!」
ナル「アオ……! アオのそばには、私がいなきゃダメなの! 私のそばに居てよ!アオ!」
アオ「勝手なこと言うなよ。 俺だって……、俺だって、ナルを守りたかったんだぞ!」
アオは、ナルの手を握り続ける。ナルが寝たのを見届けて病室を出るアオ。
アオ「……俺、今まで、なにをしてたのかな……?
世界がどんなに変わっても、ナルは俺にとって、一番大切な友達なのに。」
---------------------------------------------------------------------- AO24話Aパート
もう、ここまで来たら、全ての謎は開かされて、
キャラは共通の目的(エウレカを助ける)に向かって突っ走って欲しいところだと思うのだが、
この脚本家はまだ謎を散りばめようとしている。
アオは、エウレカを取り戻すためにクォーツガンを使いたいと思ってる。
レントンは、スカブを消し去るためにクォーツガンを使いたいと思ってる。(トラパーを無くすため)
まずその対立軸くらいはハッキリ示して欲しい。
レントンの目的をずっとぼかしたまま、アオとサッカーを始める。
そこで、親子の対話をするかと思いきや、またぞろ設定の説明をはじめるレントン。
まあ、いまさら驚かないけどね。この脚本家の無能ぶりには。
ここでレントンが語る設定だって、最終回まで秘密にする必要ないよね?
スカブがクォーツの力で過去に行って、シークレットが発生してスカブバーストが始まった。
未来では人類は滅亡していた。
シークレットが人間を敵として認識し、襲いかかってきたという。
それは、「シークレットと戦うな」と言う意味で、
「シークレットは敵ではない」とエウレカが言っていたことの種明かしだと思うけど、
シークレットが人間を襲い始めた設定は不要だよね。
スカブバーストだけで大災害なのだから。
だからレントンは、スカブバーストが起きないように、スカブを全滅させたい。
エウレカにはスカブを殺させたくないから、過去に逃がす。(トラパーから子供を守るためにも) 次の台詞がすこし変。
アオ「父さん、どうしてそんなにまでして、スカブを消し去ろうとするんだ?」
レントン「大人の責任だ。」
アオ「大人の責任?」
レントン「かつて、俺達はスカブコーラルを守るために戦った。」
アオ「そうか、母さんはスカブと同じだって、ナルが。でも、なら、余計になんで?」
レントン「俺達が守ったせいで、この宇宙にスカブバーストなんて現象が起こってる。その責任だ!」
アオにサッカーボールをぶつける。
レントン「俺は帰る。1万年先の未来へ。」
アオ「なんでだよ? 母さんを放っておくのか?」
アオ、じっちゃんに話を聞かされる。
アオ「じっちゃん、やっぱり俺行かなきゃ。それでも俺、父さんは間違えてると思うから。」
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脚本家がここで何をしたいのかわからない。
なんで、ここでレントンが1万年後に帰ると言い出したのか、それに対してアオは何が間違えてると思ったのか?
Bパートと繋がらないじゃないの?
ここのレントンの台詞は、「クォーツガンを使って、スカブを消滅させてくる!」じゃないの?
なにか、また謎かけをしようとしたのなら、余計なことして、話を混乱させるなと言いたい。 AO24話Bパート
さっきレントンが言った「1万年後に帰る」という台詞は、早々に無かったことになってる。
で、
アオは、エウレカを取り戻すためにクォーツガンを使いたいと思ってる。
レントンは、スカブを消し去るためにクォーツガンを使いたいと思ってる。(トラパーを無くすため)
対立軸をはっきりさせたのはいいが、
なんでレントンはアオに攻撃するのさ?
しかも、アオのニルバーシュにはアーキタイプが無いから、絶対倒せると思ってますよね?
アオがふりきれないほど、容赦ない弾幕を張るとか。
で、アオがよけて見せたら、レントンは、
「なぜ、その機体にアーキタイプがある?」「アーキタイプは一つだけでいい!」とか、
意味不明なことを言い出すわけですよ。
で、アオが姉さんのことを語りだす。
トラパーが濃い世界では、スカブと人間の子は生きられないと。
レントンがアオにそのことを知らせなかったのは、わからないではないが、
なぜ、まだ、バトルを続けるんだ?
明らかに互いを殺そうとしてますよね? で、アオがポールライトに飛び込むと、あっさりエウレカのもとに行くわけですよ。
ポールライトに飛び込むと過去に行けるという設定が突然に明かされましたが、
ポールライトからレントンが出てきたからだという。
ポールライトなら、未来にもいっぱい立ってましたけど?いつでも過去に行けるじゃん?
知的生命の意志で、クォーツを共振させればいいんですよね?
そして、アオはエウレカと再会する。レントンも続いてやってくる。
アオ「俺のために辛い思いを」
エウレカ「私のエゴだから、最期まで責任を」
アオ「そのために、誰かを犠牲にするなんて、そんな呪いから自由になってよ。それが俺が生まれた理由だから。」
アオの言葉に涙して去る両親。
うーむ。釈然としない。
親心もわからず、親の支援を拒む子供だよなあ。で、自分は死んでもいいと。
これを、親不孝と言うんじゃないか? とにかく、このラストによって、
時空をさまようエウレカは存在しなくなった。
エレナも、存在しなくなったのかな?
島に残された幼いアオは、突然親がいなくなって二度と会えないわけですよね?
そういう世界が丸ごと消えてなくなったってことですかね?
結局、アオがさんざん嫌がってた、「無いことになった。」ってことですよね?
これでオチがついたと思った脚本家の頭っていったい。 レントンがこの時代に来たとき、シークレットの頭がそれを察知したよね?
で、シークレット的にはクォーツガンを使って欲しくないのだから、
クォーツガンを手にしたレントンをシークレットが襲い始めたでいいんじゃね?
シークレットは敵じゃないとか、ウザイ設定は忘れていいよ。
すると、こうなる。
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クォーツガンを手にしたレントンとシークレットのバトルが始まった。
そこに、アオが追いつく。
レントン「アオ? なにしにきた? これは俺の戦いだ!」
アオ「父さん! シークレットは、クォーツガンを使わせないようにしてるんだ。俺だって嫌だ!」
レントン「スカブを消滅させなきゃいけないんだ!」
アオ「母さんごめん! 俺はここで父さんを死なせるわけにいかない! シークレットとも戦うよ!」
レントンを守ってシークレットと戦うアオ。
シークレットは、アオも敵と認識してアオに襲いかかる。
アオをかばうように、弾幕を貼るレントン。
シークレットと、レントン&アオの激しい戦いが繰り広げられる。
アオ「くそ! シークレットの攻撃を回避できない!」
トゥルース「しっかりしろ、アオ。反撃を始めるぞ!」
レントン「アオ、上手に飛ぶじゃねえか。まるでその機体にアーキタイプでもいるみたいに。」
アオ「アーキタイプって何だ? それに、さっきからトゥルースの声が?」
トゥルース「何をいってる。ずっと君と一緒に飛んでたじゃないか。」
アオ「トゥルース? そうか、トモダチになるって、こういうことか。俺もまた会えて嬉しいぜ。」 レントンはシークレットの攻撃を受け、クォーツガンを落とす。
アオがクォーツガンを拾う。
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レントン「アオ、クォーツガンを渡せ! それでスカブを撃たなきゃならないんだ!」
アオ「姉さんが死んだことは、じっちゃんから聞いたよ。だから、トラパーの無い世界で俺を産もうと。
ありがとう、父さん。俺のために、ここまでしてくれて。でも、俺は母さんを救いたいんだ!
それに、スカブの無い世界になったら、大切な人まで失わせてしまう。そんなのは嫌だ!」
レントン「エウレカを救うことはもう出来ない!
沖縄のスカブバーストの時から、エウレカは時空を彷徨うしかなかった。」
アオ「父さんは母さんを救いたくないのかよ? 」
レントン「エウレカも覚悟してる! おまえの命が一番大事だってな! 俺もアオを生き延びさせたいんだ!」
アオ「勝手なことを言うな! 俺の気持ちはどうなるんだ!」
トゥルース「ポールライトだ。アオ。」
アオ「え?」
トゥルース「沖縄のポールライトに飛び込めば、過去のスカブガーストが起きた時代にいける。」
知的生命体の意志で、クォーツを共振させれば可能だ。」
アオ「確かなんだろうな? 母さんに会えるなら、やってみる!」
レントン「だめだ! アオ! 行くな! 失敗したら、お前は……!」
フレア「アオ! 無茶なことしないで! そんなことしたら戻れなくなる!」
アオ「俺は、エウレカを、母さんを救いたいんだ。フレアなら、わかってくれるよね?」
フレア「やっぱり本物の家族がいいの? 私のことも、家族だっていったじゃない!」
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ここでのポイント。
アオは、あくまでもエウレカ母さんを救うことを第一に考えていなくてはいけない。
「大切な人がいる」云々は、「母さんを救いたい」という動機の前には、どうしても理由をこねくり回してるだけに聞こえる。
ポールライトに飛び込めば、エウレカに会いにいける可能性と、帰れなくなる可能性について、
ポールライトに飛び込む前に明示すること。そうすることで、フレアとのドラマが生きてくる。
なんでも謎にすればいいわけじゃない。 過去のスカブバーストの時代に戻ったアオ
そして、アオはエウレカと再会する。レントンも続いてやってくる。
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オリジナル脚本
アオ「俺のために辛い思いを」
エウレカ「私のエゴだから、最期まで責任を」
アオ「そのために、誰かを犠牲にするなんて、そんな呪いから自由になってよ。それが俺が生まれた理由だから。」
アオの言葉に涙して去る両親。
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修正版
アオ「俺のために辛い思いを」
エウレカ「私のエゴだから、最期まで責任を」
アオ「俺を信じてよ。母さんがくれたこの命、この命は、俺が責任を持って守るから。
俺はこの世界で、なんとかやっていくよ。絶対に悲しませたりしないから、安心して!」
自分の命に責任感を持てるほど成長したアオの言葉を信じて去る両親。
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せっかくの親子の良いシーンに、
「呪い」とかネガティブな単語を挿入したり、
「誰かを犠牲にする」親を悪者にして批判するとか、
このバカ脚本家には、どんな罵詈雑言を浴びせても足りない。
ここで必要なのは、
アオ自身が、「俺は大丈夫だから、信じて。」と、親を安心させること。
そうしないと、子供を置いて未来に帰れないだろ。 ラスト
2027年。時空を彷徨って帰ってきたアオ。
この世界でアオを覚えているものは誰もいない。
アオは一人で旅立つ。
そして沖縄は独立に向けて動き出す。
なぜ、こういう結末にしたのか、全く理解できない。
脚本家というより監督含めた連帯責任だろう。
では、どうすればよかったか?
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アオがボードで大空に飛び出したとき、一機のIFOが接近した。
フレア「やっと、見つけた。」
アオ「フレア? どうしてここに?」
フレア「わかんないけど、サードエンジンが起動したから、ついてこれたのかな?」
アオ「フレアも無茶するなあ。」
フレア「私たち、家族だって言った。一人で行こうとしないで。」
ボードに乗るアオを周回しながら島に向かうIFO。
まるでダンスをするように。楽しげに。
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フレアのサードエンジンが起動した描写があるのに、
なんでこういう、若い二人に焦点を当てた、
ハッピーなラストが作れないのか意味がわからん。
基本的家族とか男女間の話が嫌いだったんだろうな。 もしかしたら、AOの企画会議で話し合われていたのは、
エウレカとレントンの子供の自立=独立を描こうということで、
アオの自立の象徴として、沖縄独立を絡めたかったのかもしれない。
親離れしたいけど、できなくて、我侭言うだけで暴れまわって自立した気になってるのが、
トゥルースでありナカムラというわけだ。
世界が自分の思い通りでなければ自殺願望をする。
テーマとしては、悪くないだろう。
しかし、AOがこうまで酷い出来になったのは、
テーマを消化しきれなかった無能な脚本家の責任と言うしかない。
まず第一に、沖縄独立という政治問題を、
オブラートに包むことなくネタにしたことが元凶だということは指摘せざるをえない。 とくに台詞に多用されてる「違う」という発言。
AOのキャラは何かにつけてよく「違う」という。
ぐずってる子供に、「どうしたの?」と聞いて、
「お腹いたいの?」「違う」
「遊んで欲しいの?」「違う」
「アニメ見たいの?」「違う」
とか、繰り返された、こっちはイラっときますよ。
あいてと意思疎通できない、相手の考え方が読めないからだ。
AOを見てて、ストーリーを追おうとしても、
それがすぐ「違う」設定となって覆されると、
こっちもいいかげんウンザリするというわけですよ。
「行方不明のエウレカを探し出して救出する」という大きな柱を作って、
そこから枝葉を生やすようにすべきではなかっただろうか?
設定が覆っても、視聴者はエウレカの安否に注目してストーリーを追うことができるからだ。 初代エウレカセブンも、ホランドなどのキャラが何を考えているかハッキリとわからない。
しかし、レントンの「エウレカを守る」という明確な意思表示があるため、
視聴者はその目線で迷わずストーリーを追うことができる。
AOでは、アオの目的がいろいろ出てきて、シークレットを倒したり、
トゥルースと戦ったり、ナルを取り戻したかったり、
フレアやエレナに振り回されたり、
アオの目的が何かという視点が散漫になってしまっている。
何をするにしても、「エウレカを救出することにつながる」と、
アオが一貫して考えている必要があった。
エウレカのことを忘れすぎなのだ。
エウレカのブレスレットも、
アオがゲネラシオンブルに合流してから、全く存在を忘れられている。
これがストーリー構成の致命的ミスによるものであると、>>47で指摘した通りだ。
アオがどんな行動をしようと、最期にエウレカのブレスレットを眺め、
「この戦いの先に、母さんと会える日が来ると信じる。」と、
一言言わせるだけでも、ストーリーが引き締まる。 だいたい、アオのニルバーシュは、エウレカのブレスレットが無いと起動しないはずだ。
AO23話で、レントンが登場したとき、
アオがエウレカのブレスレットを持っていて、
ニルバーシュがアオをパイロットとして認識し、
コクピットのゲージにアオの名が表示されていることを、
レントンは真っ先に確認すべきだった。
脚本家の頭からも、キーアイテムという考えが無く、
エウレカのブレスレットをシナリオに活用しようという知能が無いことの証明だ。
ここに、レベッカから「アオ、トリトン号にエウレカが現れた」と連絡が入る。
説明的すぎて笑うところだよね。
なんで、他人から「このパイロットはエウレカの子ですよ」と説明を受ける必要がある?
一応、レントンはアオの目を見て察したようではあるが、
レントン自身がゲージを確認して「おまえが、アオか。エウレカはどこだ?」と、聞くこと。
レベッカから連絡が入るのはその後でいいんだよ。 AO24話で、レントンがじっちゃんに挨拶し、アオとサッカーをする。
レントン「前にエウレカと月光号がこちらに来ただろ。それでスカブが過去に移動してることを知った。」
そしてアオにボールを渡す。ここまでは、いい。
酷いのは、ここからさらにレントンが一人で設定の説明を始めること。
ここで必要なのは親子の対話ですよ。
アオは、母を捨てたレントンを憎んでるはずなので敵対心をむき出しにしなければいけない。
スカブを破壊することを優先し、エウレカを助けようとしないレントンに対して、アオは怒りをぶつけること。
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アオ「未来に帰った母さんは、どうして父さんと別れて、また過去の地球に来たんですか?」
レントン「未来の地球でもスカブバーストは起こり、人類は滅亡寸前だった。
俺達は、シークレットが現れる前に、スカブを破壊し尽くさなければならなかった。この時代のスカブも破壊する。」
アオ「母さんはスカブと同じだって聞いてます。
だから、父さんはスカブが嫌いになったから、母さんを捨てたってことですか?」
レントン「エウレカに、スカブを殺させたくなかったんだ!」
アオ「わからないよ! そんな理由で、母さんと別れるなんて!」
レントン「別れたりするものか! 俺もかつては、エウレカを守ろうと戦った。いつまでも一緒にいようと!」
アオ「だったらどうして、未来の地球で母さんを守ろうとしなかったんだよ?」
レントン「アオには関係無い! 俺とエウレカが決めたことだ!」
アオ「父さん、今からでも母さん助けに行こうよ! クォーツガンを使えばなんとか……。」
レントン「それは出来ない!」
アオ「おかしいよ! 母さんを放っておくなんて! 俺は絶対、あんたを父さんとは認めないからな!」
レントン「俺が憎いか? アオ。」
アオ「そうとも! 親が、子供に憎まれるようなことするな!」
レントン「それが親の責任だ!」
おもいっきりアオにボールを蹴るレントン。
レントン「俺はこれから、最初の元凶となったスカブを撃つ。クォーツガンでな。」
アオ「何でだよ! クォーツガンは、もう1発しか撃てないんだぞ! 母さんを見捨てるのか!」 ドラマというのは、人と人との考え方の齟齬、共鳴ではじまる。
だから、AとBという人のドラマを作るにはまず、
A、Bそれぞれ、どういう考え方をしてどういう言動をするのか、しっかり構築すること。
すると、A、Bのキャラの掛け合いをすると、自然にドラマが生じてくる。
一人で設定を説明してるだけじゃ、何もドラマは生じない。
初代エウレカセブン51話ニュー・オーダーみたいに、
ずっとキャラに心情を独り語りさせるのは、ドラマを作る訓練になるかもしれない。
ちょっと聞いてるほうが恥ずかしくなるくらいなので、何度も聞けないが、
そこで語られているのは「設定」ではなく「心情」だ。
あふれるほどの心情をキャラが持っていれば、ドラマは自然に生まれてくる。
AOで、他人が共感できるような、あふれるほどの心情を語れるキャラがどれくらいいるか?
せいぜい、アオ、フレア、エレナ、くらいしかいない。
他のキャラはどれも、何を考えているかわかり難い。
心情を熱く語れるような要素が無い。
だから、キャラが多くてもドラマが薄くなる。 AO17話で、
アイランドまでアオがマキャフリイ姉妹に会いにいったが、会話をすることは無かった。
もし、脚本家が10人いて、このシーンを任されたら、10通りのシナリオを上げてくるだろう。
その中で、はたして、アオが会話をしないで帰るという選択は最良のシナリオと呼べただろうか?
否である。
アオがわざわざアイルランドくんだりまで行って、そのまま黙って帰ってくるなど、
そんな中身の無いシナリオは、この宇宙に存在する価値など1ミリも無い。
100歩ゆずって、アオの、現実を直視する勇気の無い弱いメンタリティを表現したかったとしても、
一緒についていったフレアやエレナとも何もドラマを起さないというのは、100%ありえませんからね?
エレナ「アオ、君のことがわかってるのは、私だけよ。」
フレア「(無言)」
アオ「(無言)」
これでドラマを作ったつもりだとしたら、ちゃんちゃらおかしい。
エレナがここでわかったような台詞を言うのも変だが、
唐突なエレナの台詞を、アオやフレアが意味深に受けとめるのも変。
何か意味ありげに見せただけで、視聴者を肩透かしにさせただけだ。 まず、アオは、フレアやエレナにもチーム・ゴルディロックスのことを尋ねたはずだ。
ならば、アイルランドに向かったアオの目的を、フレアやエレナも推測できるはずである。
エレナは自分が異世界から来た人間だと確信するためにも、もっとアオの行動に食い下がるべきだ。
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アイルランドに向かうアオ達。
フレア「アオが休暇を欲しいなんてめずらしい。しかもアイルランドに行きたいなんて。」
エレナ「アオが言ってたでしょ? チーム・ゴルディロックスのこと。」
フレア「うちには、そんなチームは無いわ。アオは何か、宇宙で変な夢を見たとか、勘違いしてるんじゃ?」
エレナ「アオについて行けば、きっとわかるわ。」
アオ「……フレアもエレナも、なんでついてきたんだよ? ここでちょっと待ってて。」
マキャフリィベーカリー前
アオは、マキャフリィ姉妹に会うのを躊躇して立ち去ろうとする。
が、エレナが立ち塞がる。
エレナ「アオ、なんでここまで来て帰ろうとしてんの?」
フレア「エレナ? どうしたの?」
アオ「べ、べつに俺は……。なんでもないよ。」
エレナ「なんでもなくない! アオはここで確かめたいことがあったんじゃないの?」
エレナをアオの手を引き、マキャフリィベーカリーに向かう。
マキャフリィベーカリーの扉が開き、マキャフリィ姉妹が出迎える。
クロエ「いらっしゃい。 あなた観光客? はじめてのお客様にはサービスしちゃうよ!」
思わずクロエから目を背けて逃げようとするアオ。 店先で、アオの行動を怪訝な目で見るマキャフリィ姉妹。
クロエ「どうしたの?」
エレナ「ごめんね。サンドイッチちょうだい。あ、アオとフレアのぶんも、今日は私がおごるよ。」
フレア「一体、ここでなにを確かめるっていうの? チーム・ゴルディロックスに関係あること?」
アオ「もういいよ! その話は、言わないでくれ!」
エレナが店を見渡す。壁には子供が書いたらしい絵が飾ってあった。
エレナ「この絵、あなたが描いたの?」
クロエ「そうだよ! こっちがお姉ちゃんの絵で、こっちが私が描いたの!」
フレア「あら、クマさんの絵ね。」
クロエ「名前は、ブルーノ! 上手に描けてるでしょ?」
アオ「……!」
アオ、いたたまれず、店を逃げ出す。
そして、公園のベンチでサンドイッチを食べながら話す3人。エレナは何故か機嫌が良い。
エレナ「この世界には、この世界の人の生活がある。それを壊したく無いんだよね? アオは。」
アオ「エレナ、なんで、そんな、わかったような口きくのさ?」
フレア「このサンドイッチ……なんか、味しない。」
エレナとアオの二人の世界に入っていけず、少し不機嫌なフレア。
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エレナは、アオの理解者を自認するのであれば、
アオの心情を、理解者としての立場で代弁する必要がある。
アオは、自分のことをなぜかわかってる風のエレナに、心を開きかける。
フレアは、二人の関係に、ちょっと嫉妬する。と、ここまでドラマを押して欲しい。 ここまでAOをいろいろダメ出しして、それなりに毎日見返してはいたが、
AOで記憶に残る名シーンってのが、ほとんど思い出せない。
結果的に、面白かったのは21話のエレナ無双だけってのがなあ。
なんで他のシーンのほとんどが記憶に残らないのかというと、
台詞に感情が乗ってないからだと思う。
つまらない台本通りに、その場の状況や設定を説明してるだけ。
初代エウレカセブンは、台詞一つ一つに、ものすごくキャラの思いが込められたものになっていた。
感情にウソが無いので、その場の空気のリアリティがものすごく増すのだ。
自分もその場にいるかのような臨場感がすごかった。
脚本も上手いし、演出もすごかった。
なぜAOでそれが出来なかったのか不思議だ。 初代エウレカセブン32話
「その頃、ベルフォレストの倉庫内では、アクセルが密かにボードを組み立てていた。
軍がそれを嗅ぎ付け、踏み込まれるのも時間の問題だった。」
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という、状況説明をすればいいだけのシークエンスがあるが、
この脚本の上手いところは、アクセルと少女達のお別れのドラマに仕立てたところ。
アクセルと少女達の台詞のやりとりが、静かな緊張感と物悲しさを演出していて、心に染み入る。
脚本家の職人技を見た感じがする。
アクセルがどんな人物か、少女一人一人の性格や、どんな間柄で、
少女達とアクセルは長い間良い関係を持っていたであろうこととか、
台詞で語られない部分まで伝わってくる。
だから、「バイバイ」という台詞が永遠の別れのように重みをもって聞こえてくる。
短いシーンなのに、長い映画を見た感じで、ずーっと印象に残ってしまう。
まるで魔法のようだよ。 初代エウレカセブンで感動的なシーンってのは、
それこそ、いろいろありすぎてキリがないくらいなのだが。
まず1個挙げるとすると、これになる。
46話
怪我の高熱から目覚めたレントンが、浜辺で戯れる子供たちとエウレカを見つけるシーン。
エウレカがレントンに気付いてふりむくも、自分の体の変化に、
レントンから嫌われるのではないかと身をこわばらせる。
エウレカに近づくレントンはすかさず話しかける。
「綺麗だ。とっても綺麗だよ。エウレカ。それに、その羽根、すごく似合ってる。」
ああ、なんて感動的なんだろう。
ここのレントンの台詞は、誰が考えてもそれしかない。
視聴者の誰がレントンの立場になったとしても、その台詞しか思いつきようが無いはずだ。
アニメの向こうのキャラと、気持ちがぴったり一致するという気持ちよさ。
このカタルシスを演出するために、エウレカと不仲にさせたり、子供たちと和解させたり、
レントンをダウンさせたり、ここに至るまでの全ては計算されたお膳立てなのだ。
計算したって、なかなかできるような芸当じゃない。脱帽ですよ。
36話で、「綺麗になりたいエウレカのオトメゴコロ」でも、レントンに笑われるというギャグネタが、
実は伏線になってるんだろうなあ、と思うと、どの回もあなどれません。 初代エウレカセブン39話。
ご存知スタッフの息抜きのためのサッカー回だ。
初見でも、「ああ、今回はギャグで行くんだな。」と、最初は適当に鑑賞していたわけだが、
そこはエウレカセブン。ただのギャグ回では終わらない。
ゲーム終了後、ホランドはこう言う。
「もう一度ここへ戻って来よう。もう一度やつらと対戦しよう。誰一人欠けることなく。ゲッコースティト全員で!」
たったこれだけの台詞で、今までのおふざけがウソだったかのように、急に盛り上がるのがすごい。
また、後半のゲーム中で、エウレカがレントンに何かボソっと言う。
終了後にレントンがエウレカに「何て言ったの?」と聞く。
エウレカの言った言葉は「信じてる。」だったと答える。
レントンとエウレカの絆も、急速に深まる。
ゲーム中に言わずに、謎かけとして後から教えられるのがミソだね。これは本当に上手い。
油断して見てたから、まさに後頭部をガツンとやられたようだよ。
ここで視聴者は、ノルブの考え、今回の脚本の趣旨を理解する。
「仲間と思いを一つにすること」「仲間を信じること」
ただのギャグ回なのに、この2つのシメがあるから、気持ちよく見終えることが出来る。
逆に言えば、この2つの言葉があれば、途中で何をやっても感動的なラストにもって行けるということ。
それを計算した上でなら、どんなにふざけた脚本でも成立すると確信しての所業なわけだ。
しかし、その基本すら出来て無いアニメもとても多いのだ。AOのように。 初代エウレカセブン38話。
レントンの父親であるアドロック・サーストンが、
セブンスウェルの事故で姿を消したという設定の詳しいいきさつ。
これ、AOの脚本家だったら、Aパートでエウレカが独白で設定をしゃべって、
Bパートは月光号と軍のバトルで終わらせていたことであろう。
こんなふうに。
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エウレカ「アドロックは、世界を破滅させるセブンスウェルを食い止めようと、コンパクドライブを引き抜いたの。
全てが終わった時、アドロックの姿はもう消えてたの。」
レントン「そうだったのか。だから父さんは英雄って呼ばれてたんだね。俺、父さんのこと見直した。」
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いやまあ、並のアニメだったら、この程度の脚本で良いと思いますよ。
ところが、エウレカセブンの脚本家は、「お父さん」というキーワードで、
アドロックの人物像を描き出してくるわけです。
「お父さん」がどういうものかしらないエウレカは、月光号の人たちとの交流で、
すごく大事な存在だと知り、好きな人と結ばれ、子供が出来、家族を守るのだと知る。
アドロックは、エウレカ自身も守ってくれた。そしてエウレカは思った。
レントンのお父さんであると同時に、エウレカのお父さんでもあると。
今回は、アドロック・サーストンの話しをするんだな、と思ってたら、
エウレカがレントンに間接プロポーズする話だったわけです。
ほんとに、オチの読めないシナリオですよ。
いったい誰がこのようなオチを予想できたでしょう?
AOみたいに、「悪い奴だと思ったら、良い奴だった」とか、そんな低レベルのレトリックじゃない。
こういう視聴者の期待以上の脚本を仕上げてくるってのは、なんなんでしょうか?
凡人とは別次元の才能とセンスを持ち合わせてるとしか言い様が無いでしょう。 初代エウレカセブン38話で、レントンとエウレカを覗き見してるシーンを、
AOでオマージュしてるのが、AO22話。
比較してみると、ドラマの厚みが全然違うのが笑える。
初代エウレカセブンの脚本を見て、何か勉強しようとか何も思わなかったのかな。
しかも小ざかしいことに、AO22話で説明されてることは、
人体に寄生したスカブは、トラパーが濃いと暴走して人体を食い尽くして殺すというもの。
これって、未来でアオの姉が死んだことの伏線なんですよ。
「予想を裏切る展開」というのを、AOの脚本家は履き違えてますね。
レントンとエウレカの子が死んでた、というのは、視聴者の予想を確かに裏切りますが、
そのシナリオが、視聴者が喜んで納得するものかどうか、考える頭は少しも無いというわけです。 AO1話
全話見た後で見直したら、何か発見があるかと思ったら、何も無かった。
構成がムチャクチャというところが、さらに目についただけ。
まずね、>>47でも書いたことの繰り返しだけど、キーアイテムのブレスレットの見せ方が間違ってる。
ブレスレットを見せる前に、クォーツを見せちゃダメ。
ガゼルはクォーツの説明をしてるところで、クォーツが爆発する。
どう考えても、クォーツのほうが大事と思って、視聴者はそっちに目を奪われる。
本編では、ブレスレットは、
Aパートで、クォーツの爆発で、アオの手元に落ちてきたブレスレットをアオが拾う。
Bパートで、ガゼルの落としたケースには足りないパーツがあると日本軍に指摘されて、アオが拾ったと示す。
そうじゃないだろ?
ガゼルの車にクォーツがついてる説明って、そもそも意味が無い。だから見せる必要が無い。
ガゼルが車の中でケースを開けて、中身を視聴者に見せる。青く輝くブレスレットに注目させて印象付ける。
アオが砂浜でブレスレットを見つけて拾うなんて、いちいち見せる必要無い。
見せたところで、クォーツの爆発の後では印象が薄い。
Bパートで、あのときアオが拾ったとわかれば十分。
なぜ、ガゼルの車にクォーツがついてることを、見せる必要があるのか?
クォーツが関係してスカブが落ちてくることを説明したかっただけだよね?
ガゼルがケースを開けて中身を確かめてるとき、ブレスレットの輝きで、
運転をミスって砂浜に不時着、アオとぶつかりそうになる、で、いいはずだ。
第1話の鉄則。不思議なアイテムを一度に2個も重複させてはいけない。 AO1話
ナルとガゼルが絡まないのはなぜ?
何か意図があって、ナルとガゼルを絡ませないようにしてるのか?理由がわからない。
アオとナルのシークエンスは、以下の通り。
1、アオとナルで、森にノアを探しにいく(ノアの紹介と、アオが孤児なのと、ナルが予知夢をする設定の説明)
2、砂浜に密漁にいくアオを叱るナル
3、スカブバーストで発作を起すナルをアオが介抱する
4、ケータイでナルと電話するアオ(外人として疎外されていることの説明)
5、島がシークレットで攻撃されてる中、ナルを心配するアオ(そこにガゼルがブレスレットを奪いにくる)
ノアがストーリー上、全く機能してないので、1は省略して4に含めて説明できる。
ナルの予知夢の説明も全く無意味。後でシークレットに島を攻撃されたとして、「ナルの夢の通りだ」とは言えない。
もし、2で、ナルがアオと一緒に砂浜に行けば、ガゼルと遭遇して次のようなドラマが生まれる。
ガゼルが、アオに「気をつけろ!外人の子!」と悪態つき、ナルが「いい大人が、子供をいじめるの?」と守る。
でも、ナルは病気持ちなので元気が続かず、アオに介抱される。すると、4のケータイでの会話が不要になる。 おそらく、4で、電話を切られた後で、
”アオは、ナルの機嫌をとるために、拾ったブレスレットをナルにあげたいと思った”と、
このシーンを作りたいためだけで、アオとガゼルの絡みのシーンで、ナルを登場させなかったのだろう。
しかし、結果的にアオは、ナルにブレスレットをあげてないし、
最期まで仲直りもしてないのだから無意味になる。
最低限、ナルにブレスレットを渡してから、
ナルから「これは、アオが持ってるべきよ。」と、思わせぶりに言わせないと何のドラマにもならない。
最悪なのは、島が攻撃されてて、ナルがどこかで大怪我してるかもしれないのに、
ガゼルに「ブレスレットは渡さない!」とか言ってる場合じゃないだろ。
さらに、AO2話では、ナルの無事が確認できてないまま、ガゼルと一緒に日本軍のところへ行ってしまう。
あるいは、ナルがもう死んだと思わせたかったの? それって無理あるよね。
好きになった人が災害にあっても、死体見るまで死んだと思い込む人はいないと思う。
「まだどこかで生きてるはずだから、探そう!」となるのが普通の人の考えだ。
だから「ブレスレットは誰にも渡さない!」と、
次の展開に移るまでに、ナルの無事が確認できて、アオを安心させる必要がある。
ストーリーテリングの鉄則。主人公が次の目的に移る前に、それまでの目的を解決しておくこと。 AO1話のラストで、ブレスレットによるクリフハンガーを最大にするために、
アオとナルのドラマを解決する必要がある。
アオとナルの電話の会話は、アオが外人だと説明してるだけで、二人のドラマがまったく無い。
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島が攻撃を受けてるとき、島で唯一の総合病院に行けばナルがいるはずだと、アオが駆けつける。
アオ「よかった。心配してたんだ。これ、ナルにあげようと思って。」
と、ブレスレットをナルに見せる。ここでナルが、何かを感じ取る。
ナル「これは、アオが持っていなきゃ。覚えてないの? それはアオのお母さんのものよ。」
アオ「なんだって?」
ここでアオの記憶が蘇る。
アオが幼いとき、ナルがアオの面倒をよく見ていた。泣いてるアオを、ナルが母親の元に連れていく。
アオを抱き寄せる母親の腕に、そのブレスレットが輝いていた。
アオは、半信半疑でブレスレットを受けとろうとしたそのとき、背後からブレスレットを奪おうとするガゼル登場。
ナルの寝てる病室で、ガゼルとアオの言い争いがはじまる。
ナルが苦しそうに咳き込みながら、ガゼルを止める。
ナル「アオのお母さんは外人で、どういう人だったのか知らない。
大人はみんな嫌ってるけど、わたしは気にしたことなんてない。
アオのお母さんが居なくなった時、わたし言ったよね? 負けちゃダメだって! アオ!」
ナルの制止もきかず、アオから無理やりブレスレットを奪おうとするガゼル。怒りに燃えるアオ。
その時、ブレスレットに「EUREKA」の文字が浮かぶ。本当に母親のものだと確信するアオ。
アオ「これは絶対誰にも渡さない!」
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アオが、自分ひとりの記憶で、ブレスレットがエウレカのものだと確信して行動するのは、独善的でよくない。
第三者のナルの後押しで、アオが発奮するようにしたほうが、ドラマが盛り上がる。 さらに詳しく解説する。
アオとナルの電話では、アオは「自分が外人だから、直接見舞いに行けない」と言い訳めいたグチを言う。
それにナルがどう答えたか?
「外人だからって、死ぬわけじゃないでしょ? わたしに比べてどんなにマシなのよ!」
と、ナルは自分の病気自慢を始める。
ナルとの不幸自慢で負けたアオは、しょんぼりする。というのがこのシークエンス。
そしてナルの機嫌をとるために、ブレスレットをあげようという思考。
「あんたより、自分のほうが不幸だ」と逆切れしたナルに負けを認めてご機嫌を取る情け無いアオ、
というのを描きたいならそれでもいいが、そういう狙いはたぶん無い。
ここでナルは精一杯アオを励まし、気遣い。それでもアオはグチり続けることに呆れて電話を切るナル。
自分が病気なのに、いつも俺を励ましてくれるナルの思いやりを無下にしたことを反省したアオが、
ナルのご機嫌を取ろうとする、というのが、正しいシナリオのはずだ。
ナルが自分の病気のことを持ち出して逆切れしたのは、ただの設定の説明にすぎない。
逆切れしても、キャラの好感度を下げるだけで、アオの大切な幼友達という説得力を失わせる。
ドラマ作りより、設定の説明に気を取られてるから、こんなしょぼいシナリオになってしまうという例。
自分の状況を語り合ってもドラマは生まれない。
相手を励ましたり傷つけることでドラマが生まれる。 そこで、もう一度、本家エウレカセブンの脚本を見てみよう。
ゲッコースティトのメンバーになったものの、上手く歯車が回らないレントン。
落ち込むレントンだが、必ずラストで、仲間にはげまされる。
これがドラマを惹きつける重要なシークエンスとして機能してる。
誰もレントンを励まさなくても、ストーリー上は何も問題無い。
しかし、誰もレントンを励まさなかったとすれば、どんなにつまらないアニメになっていたか。
1話のレントン。(エウレカのところへ飛んでいく!)
2話のエウレカ。(レントンじゃないとダメなの)
3話のアクセル。(レントンの旅立ちを見送る)
4話のマシュー。(現実に負けるな)
5話のミーシャ。(エウレカにアタックするぞ)
6話のエウレカ一家。(エウレカも子供達もみんな家族)
7話のドギー。(名実ともにゲッコースティトのメンバーになる)
そして8話からストーリーが動き出す。
緻密なストーリー構成もさることながら、各話ごとのテーマもカッチリ決めた上で、
困難があっても、最期にはレントンを励まし、背中を押して終わる。
脚本は、何を描くべきをわかってる上で、最高の脚本を上げてくる。
これがドラマの筋書きなんですよ。 本家エウレカセブンでも、もう一度見たいなと思うシーンは、
戦闘シーンよりも、レントンが傷ついたり励まされたりと、
エウレカへの思いを爆発させたりと、人間の心が大きく動くシーンなんですよ。
そうしたドラマの積み重ねで、エウレカセブンは名作に上り詰めたのだと思う。
だからAOがエウレカセブンを名乗るなら、せいいっぱいドラマを仕込んでくるべきだった。
ドラマで視聴者の気持ちを高揚させるべきだった。
実際にAOの脚本家が上げてきたのは、込み入った設定を説明するだけのものだった。
2転3転するストーリーが、視聴者にウケると勘違いしてたわけだ。
AO1話のAパートラストで、アオとナルが手をつないで戦場の明かりを眺めてるシーンがあるが、
ドラマが無いので全く印象に残らず、こんなシーンあったのかと完璧に忘れていた。
見直しても、何も面白くない。 AO1話のAパートラストで、アオとナルが手をつないで戦場の明かりを眺めてるシーンがあるが、
ドラマが無いので全く印象に残らず、こんなシーンあったのかと完璧に忘れていた。
なぜ、印象に残らなかったか、理由はハッキリしてる。
Aパートラストで、アオとナルがFPに乗ってたのに、
Bパート冒頭では、アオが一人でFPに乗ってじちゃんの家に帰ってきている。
「ナルを家まで送りとどけた」などの説明は一切無し。
だから記憶中枢が記憶すべきエピソードだと認識できなくて消去したのだ。
そんな無意味なシーンばかり作っても、ちっとも印象に残らないつまらないアニメにしかならんよ。 AO1話のAパートラストでやってることは、以下の通り。
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アオがFPを運転し、森をつっきり、
「しっかりつかまってて!」と、アオがナルを抱きつかせている。
スカブバーストが起き、シークレットが現れる。
「今のは?」と、アオが気を取られたとき、FPが路肩にぶつかる。
「ナル、しっかり!」アオが車外にナルを連れ出す。
「アオ? ノアは?」ナルはノアの心配をする。ノアが無事なのを確認して「よかった。」とナル。
森の向こうで怪しい光を見る。周りにサイレンが鳴り響く。
「アオ……いったい何が起こったの」
「さあ、わかんないよ。でも、なぜだか、すごく悲しい気分なんだ。」
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ウソくせぇええええええ!!!
こんなのドラマじゃねええええええええええ!!!!!
夜、あなたが男子で、隣にフラフラの女子がいて、手をつないでて、
森の向こうで怪しい光を見て、町で鳴り響くサイレンを聞いたら、
「あなたは、すごく悲しい気分。」になりますか?
普通は、女の子の手をつよく握りかえして、
「この子を、茂みに連れてって押し倒す。」か、
「この子を、早く安全なところに連れていかなくては。俺しかこの子を守れないんだから。」
の、2つしか、男子の考える選択肢は無いと思いますが、そこのところどうなんでしょうか? いくらなんでも1話なんだから、もう少し面白いんだろうなと思ってたが、
見返したら、ちっともそんなことなくて、ただ面白くないだけだった。
せめてこれくらいはドラマを作って欲しい。
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ナル「アオ……いったい何が起こったの」
アオ「さあ、わかんないよ。でも、なぜだか、すごく悲しい気分なんだ。」
ナル「しっかりしてよ! アオ! FPを動かして、ここから逃げなきゃ!」
アオ「そ、そうだね、ナルは俺が守るから。家まで送るから。」
ナル「アオは、下からFPを持ち上げて! 私がFPを運転する!」
アオ「ナルにFPの運転は無理だよ。」
ナル「私にだってFPくらい運転できるわ! 私にだって……!」
緊急車両をジグザグにすり抜けていく、ナルの運転するFP
Aパート終わり AO2話を見直してみたが、やっぱり面白くなかった。
なんなんだよ、この稚拙な脚本はよう。まだ2話目なのによう。
Aパートはダメダメすぎて記憶にすら残ってなかった。
Bパートのダメさは、>>19で書いた。
Aパートの内容はこんな感じ。
ガゼルはアオを連れて日本軍のところへ。
島をめちゃくちゃにされてるので、アオに日本軍のIFOを動かしてもらって、戦ってもらいたいらしい。
アオからブレスレットを横取りして、自分でIFOに乗って戦うつもりは無いが、
シークレットと戦う危険なことはアオにやらせるつもりらしい。
ガゼルの人間性が全く掴めない。
なぜか、日本軍のIFOにシークレットが反応して、日本軍空母にシークレットが接近。
それはいいとして、日本軍空母は、シークレットではなく、ガゼルを威嚇攻撃する。
当然、日本軍空母はシークレットの攻撃を受けて撃沈される。
なんだそれ?なんかのギャグのつもり?
アオは車外に放り出されてIFOに掴まり、仕方なく操縦席へ。
目の前でガゼルが海に落ちてるのに、救助することなく飛び去る。
おいおい。
アオのIFOはシークレットに向かって飛んでいったが、
初めて乗ったIFOで、シークレットの攻撃を受けて、
どんなふうに勝てる根拠があって、正面から戦うつもりになったのかわからない。
そんなキャラ設定じゃなかったろ? 逃げ回るアオは、スカブに到着。
すると、シークレットの攻撃をかわせるようになる。
トラパー濃度が濃いと、シークレットには見えなくなるらしい。
それ以前に、シークレットはスカブと融合爆裂するのが最優先任務じゃないのかよ?
シークレットから見えないというハンデのおかげで、アオは反撃のチャンスを得るが、
なぜかアオは空中に飛び出して、シークレットの視界に自分をさらし、攻撃されて片腕を失う。
トラパー濃度が濃いとシークレットから見えないって設定は、必要だったの?
しかも、ここで説明することだったの?
トラパー濃度が濃いとシークレットから見えないって設定を生かしたアオの反撃でもなんでもないし。
ゲネラシオンブルは、国際レスキューだと台詞で説明するだけで、2話も何も活躍しなくて、
そのかわり、日本軍だの沖縄自衛隊だの、独立派のおじさんだのを出す必要あったの?
トゥルースが出てきたら何も機能しなくなる、ただの舞台装置じゃん。
まんべんなく設定を説明してるだけだから、面白くないんだよね。記憶にも残らないし。 面白く無い理由がわかれば、ドラマを作ることができる。
こんなふうに。
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ガゼルは、自分の島を守るため、自分でIFOを動かしてシークレットと戦う決意をする。
ガゼルがアオを連れて日本軍空母と合流しようとしたとき、シークレットが日本軍空母を攻撃。
撃沈された日本軍空母のIFOにガゼルが飛び移り、コクピットに座る。
ガゼル「ちくしょう! こいつ、どうやって動かすんだ? アオ! そのカギをよこせ!」
アオ「いやだ!」
IFOが海に沈みかけ、このままだとガゼルも溺れるというところで、ガゼルはコクピットを脱出。
代わりにアオをコクピットに強引に座らせる。
ガゼル「仕方ねえ。 生き残りたけりゃ、自分でこいつを動かせ!」
アオ「そんな!」
ガゼル「お前が、島を守ってみせろ! 生まれ育った島をよ!」
気が動転するアオだが、コクピットが締まり、IFOは海に沈む。
アオ「ここから出せよ! 俺に何をさせようって言うんだ!」
ピッポ「ガゼル、やりすぎじゃねえか? アオのやつ沈んじまったぜ?」
ガゼル「やつは、アレを動かすさ。 動かすしかねえんだ!」
そして、アオのブレスレットが反応し、海中でIFOを起動することに成功する。 フレアとエレナは、シークレットを攻撃しようとするが、
アオのIFOが識別信号を出して無いので、アオのIFOにもミサイルがロックオンしてしまうので出来ない。
フレア「私たちじゃ、何も出来ない。あのIFO乗りに運命を託すしか。」
エレナ「任せてもいいかも。 マークワンのサードエンジンが起動してるし。 すごいパイロットだ。」
そして、アオがシークレットを倒す。
この後、フレアがアオと出会うが、出会い方が強引過ぎる。
なぜ、フレアが初めて出会ったアオのことが、さっきのIFOのパイロットだとわかるのさ?
アオが海で寝てるのも変だし。
あるいは、近くでパイロットを探すフレアの目にアオが止まり、
アオが浜辺を歩いてるところを、フレアに呼び止められ、探りを入れられる。
フレア「この島の子? さっきすごい爆発があったけど、巻き込まれなかった?」
アオ「え? さあね、昼寝してたから、気が付かなかったけど?」
フレア「そう、あたしフレア。ゲネラシオンブルの。よろしく。君の名前は?」
アオ「フカイ アオ……。」
フレア「単純な名前。」
アオ「なんだと? じゃ、俺はこれで……。」
フレア「君、昼寝してたんじゃ、さっきのIFO見てなかったよね。すごく、かっこよかったんだよ。」
アオ「え? ほんとに?」
フレア「ふふ、ほんとに単純なんだね。」
アオ「う、じゃあな!」 AO3話のつまらなさは、言わずもがなだ。
シーンごとのおかしな点を挙げていったらキリがない。
シリアスとギャグを混在させるテストのつもりだったのかもしれないが、
後半の回は、3話ほど酷くは無いので、それなりに反省したのだろう。
それはともかく、アオが虐待されてるシーンがどうにも面白くない。
元祖エウレカセブンで、レントンが虐待されているシーンは数々あるが、
AOと比べても、逆に見ごたえがある。
やはりこれも、初代のほうがドラマがきっちり作りこまれているからだろう。
アオが虐待されてるシーンは、いかにも作り物くさいのだ。
「はい、ここでアオが縛られますよ」
「はい、この大人は悪い人ですよ」
「はい、ここでイビチャが登場です」
「はい、ここでガゼルが登場です」
と、いちいち段取りして説明してるのだ。
シーンごとの流れが、ブツブツと、ぶったぎられながら話しが進むので、
まったく感情が入っていかない。
ドラマも単純で、いかにも頭の悪い大人が、いいがかりでアオを虐待している。
元祖エウレカセブンでは、けして、そんな単純な構図はとらない。
レントンを虐待するホランドも深い事情があるし、
レントンもホランドに殴られたからって、裏の事情があるため、ホランドを恨み続けることはしない。
AOの場合は、アオに、「大人の事情があるから、(アオを虐待するけど)すまない」と言っている。
おそらくアオは、自分を虐待した大人をずっと恨み続けるだろう。
同じ”事情”があっても、こうもドラマの厚みに差が出るものなの? 主人公を虐待する大人が出てきた場合、
ストーリーの中で相応のけじめをつけてもらう必要があるだろう。
本家エウレカセブン15話のユカタン、
本家エウレカセブン18話の発掘屋、
それぞれ、身勝手な大人がレントンを苦しめるが、ラストで、きちんと罰を受けて終わる。
ストーリーテリングとして、「その悪い大人は、どうなったの?」という
視聴者の問いに、明確な答えを与えている。
AO3話の大人は、アオを縛り上げて虐待したくせに、罰らしい罰も受けずに終わってる。
ガゼルに説教されたからって、アオの受けた苦しみとは釣り合わない。
大人が罰を受けないまま、虐待受けた主人公が、がんばる姿を描いても、釈然としないのは当然だ。
また、本家エウレカセブンでは、調子に乗って周りが見えないレントンの行いで、
他の大人が問題の尻拭いをさせられてしまうという、
主人公側の問題も提示するのでドラマが一層複雑に折り重なる。
主人公であろうと、自分の行動に責任を持たないといけないということだ。
AO3話でも、アオが島の災いの元になったと言われても仕方ない行動を何かしていれば、
アオが責任を取らなければならない状況が生じていたなら、また違ったドラマが生まれていただろう。 シンプルに整理すると。
共感できる大人の事情で、主人公と対立→和解が成立
共感できない大人の事情で、主人公と対立→罰を受ける
こういう約束事をきちんと踏襲しないといけないというわけだ。
ちなみに、ホランドがレントンと対立するのは、
レントンに対する期待の裏返し、嫉妬、苛立ち、
自分ならエウレカを守って死ぬ覚悟も出来てるが、レントンはどうなんだ?という不信感。
レントン自身が成長し、ホランドの信頼を得た時点で、対立軸は解消される。
本家エウレカセブン26話で、レントン、エウレカ、ホランドの三つ巴のドラマが展開する。
重厚すぎて、何度見ても見飽きない。
単純にヒーローがヒロインのピンチを救って結ばれるという話しならここまで盛り上がらない。
そこに、ホランドという人物を絡めて、「エウレカはホランドを選ばなかった」=「エウレカはレントンを選んだ」
という構図を描き出したのが、文学的でアニメの脚本とは思えないほどだ。 ホランドもレントンも、エウレカを守るためには、死をもいとわないというのは同じ気持ちだろう。
なのに、どうしてエウレカはホランドではなくレントンを選んだのか?
その理由が、次のエピソードで語られている。
本家エウレカセブン9話。
選択の門を軍が爆撃しているさなか、エウレカは膝を抱えて座りこむ。
「もう、戦争で人が死ぬところを見たくない、でも自分には使命があるから、今は何もできない。」
レントンは、「おばさん達を見殺しにできない!」とニルバーシュに乗り込む。
エウレカも同じ気持ちだと告げると、「一緒に行こう!」とレントン。
ホランドは、ずっとエウレカを守って戦ってはいたが、エウレカの気持ちと同期して導くということはしなかった。
レントンはエウレカを、より高みへと導いていった。
エウレカ自身、まだ見たこともない地平が広がる。
説明のつかない、わきあがる感情がエウレカを包む。
そしてエウレカはレントンを選択した。
しかし、問題も発生する。エウレカが成長して人間性を有すればするほど、
自分とは別人格のレントンと、そりが合わなくなるという現実に直面する。
それでも互いを必要とし、互いを認め合えるまでのエピソードが、この後続いていく。 AO19話で、ナルがトゥルースを導いていたんだ云々という話があるが、
陳腐すぎて話しにならない。
どこで間違えてるんだろう?
誰が誰を導こうと、ゴールは同じじゃないといけないのではないだろうか?
トゥルースがナルを導いたのは、ナルの神通力を使って世界を滅ぼすため。
ナルがトゥルースを導いたのは、アオに力を持たせて世界を変えるため。
どっちにしても、視聴者が共感できることじゃない。
ナルもトゥルースも、他人を利用しようとする嫌なやつだ。
ナルとトゥルースのラブストーリーが根底にあって、
共通の理想の世界を作ろうとしたけど、ちょっと互いの理想にズレがあって破局した、
というなら、もうちょっとドラマとしてなんとかなったのかも知れない。
しかし、ナルとトゥルースのラブストーリーじゃないということらしいので、
どうしようも無いんだけどね。 おそらく、AOの脚本家の頭には次のようなことが想定されていただろう。
トゥルースは、AOの中の世界が間違っていて、視聴者の現実の世界を求めて戦う
→アニメの中では敵→シークレットが敵で無いと判明した時点で、トゥルースは正義の側
ナルは、エウレカセブンの世界観(スカブが地球を覆う)を実現するために戦う
→アニメの中では正義の側と思わせて、実はスカブを無くそうとするエウレカの敵
しかし、脚本家の頭の中で、きちんとストーリー構成の中で整理されなかったため、
トゥルースもナルも、ずっと気持ちの悪い敵のままで、正義の側に立つことはついに無かった。
では、どうすればよかったか?
トゥルースは最初の登場の時から、破壊願望の基地外ではなく、ゲネラシオンブル基地、スカブプラントなど、
トラパービジネスなど、この世界に存在しないはずのモノだけを、攻撃対象として破壊するなど、スジを通しておけばよかった。
超能力なども使わない、もう少し常識のある謎のスパイのような人物に描けばよかっただろう。
ナルは、スカブを守ろうとするのはいい。しかし狂信者のリーダーに祭り上げるのはダメだ。
ナルは後で、スカブはけして人に幸福をもたらさないと、それでも共生すべきかどうか、
スカブのエウレカと対話し、和解する必要があった。
「エウレカ、邪魔よ!」などと言っていてはダメだったのだ。
ナルもトゥルースも、最初から自分の目的を明確にして、アオと対立しても、時には味方になるなど、
もっと柔軟に転身できるキャラにしておくべきだ。
ナルとトゥルースが逢引したり、互いに操ったりなど、もってのほかだ。
そういうメンタリティを持たせると、もう修正はきかない。 一言で言えば、AOの脚本家の性格が悪趣味だった、ということに尽きる。
人格攻撃などあまりしたくないが、脚本家のセンスがどうしても脚本に投影されてしまうものだ。
トゥルースが暴れまくる7話まで脚本があがった時点で、
こいつはヤバイ、使い物にならないとクビにする必要があったのだ。
基地外トゥルースとナルをくっつけるとか、正気じゃない。どんな理由があってもだ。
アオを精神的に苦しめたいと思いついただけの話しで、
「どうせ間違った世界だから」と後で夢オチのようにチャラにできると甘い見通しを立てていたのだ。
8話でまともな脚本家が起用されたのは、スタッフの危機感が多少働いたからかもしれないな。 共感できる善玉キャラクターというのは、自分を高めようとする。
努力と根性で勝負に勝ったり、
永遠の愛や、友情を大事にしたり、
自分を裏切らず、正直に物事にぶつかっていく。
人を信じ、守ろうとする。
悪玉は、他人を貶めたり、利用しようとする。
超能力を持つ悪役は、超能力のみで相手を倒そうとし、努力などしない。
誰かを憎んだり、恨みを持ったりする。
悪意で物事を捉え、他人の善意も平気で踏みにじる。
金で相手を操ろうとしたり、脅迫めいた取引も、悪人のすることだ。
ドミニクと、アネモネの関係を見てみよう。
ドミニクは、善玉キャラだ。
軍に所属し、レントンと対立することはあっても、根っこには正義感が存在する。
アネモネを守ろうと、陰ながら尽力する。
たとえ、一方通行の愛だとしても。
アネモネは、悪玉キャラとして登場する。
最初はトゥルースのような基地外ぶりを見せるが、
無敵のトゥルースと違い、はかなさを常に感じさせる。
ナルがトゥルースに接近したように、アネモネは大佐に接近する。
しかし、大佐はけしてアネモネに特別な感情など抱いていない。”アレ”と言うだけだ。
そこが、トゥルースに守られるビッチなナルと、孤独なアネモネの大きな差だ。
アネモネの元からドミニクが去ったことで、自分を癒してくれていたのが誰だったかを悟ることになる。
アネモネは共感できる善玉キャラと生まれ変わった。 AO7話。
本家エウレカセブンのアクペリエンス(12話)を真似ようとして失敗した話し。
解析するまでもなく酷いんだけど、一応メモしておく。
根本的にダメな原因は、脚本家自身が、今のシーンがどういう状況で、
この後のシーンがどういう状況で、さらにその後、どういうシーンになるべきかをまるで理解してないこと。
だから、どうしたら話が盛り上がるかがわからず、脚本がいきあたりばったりなのだ。
構成に、なんの計画性もない。
まず、トゥルース登場のしかたに、目を疑いました。とても今時のアニメとは思えません。
指鉄砲で爆発起す、変幻自在の無敵キャラということを見せてますが、
”変幻自在の無敵キャラ”という時点で無理です。
面白くなる要素ゼロなんです。
他のアニメ、映画で、変幻自在の無敵キャラの悪役っていないでしょ?
大昔に、何作かはそういう悪役が登場した作品はあるでしょう。
でも、話が盛り上がらないために、多くの作品では採用されませんでした。そういうことです。
そういうキャラ設定するほうも変だし、企画会議で通すスタッフもどうかしてます。
”変幻自在の無敵キャラ”には致命的欠陥があります。
超能力を使えば、すぐに目的を果たせるはずなのに、なぜしない?という、無駄な説明が必要になります。
弱点がなければ、ドラマは生まれません。スーパーマンにすら、クリプトナイトという弱点が設定されています。
変装の名人というだけなら、ルパンやX-MENなど存在しますが、他の超能力など使いません。
空も飛ばないし、銃で撃たれたら怪我をします。行動が抑制されるので、ドラマを作ることができます。
”変幻自在の無敵キャラ”を登場させてしまうのは、ドラマを盛り上げるということを知らない作家だけです。 AO7話。
トゥルース襲撃の戦闘シーン。とにかく、各キャラの台詞がだらしない。
侵入者がゲートで爆発起してるのに、警備員がのこのこ出てきて「何者だ」は無いわ。
そこは直ちに非常警報を鳴らし、状況を各部署に伝達、
侵入者に向けて「止まれ! 武器を捨て、地面に伏せろ!」だろ。
イビチャが、アオとエレナに侵入者の連絡をして、待機するように伝える。
すると、アオとエレナは他人事のように、「男子の部屋で?」「勝手に入ってきたくせに!」とか呑気なことを言う。
エレナは、警報が鳴ってるはずなのに歌いながら着替え中。
報告を受けたブランは、特に気にする様子も無く、直ちに部下に指示を出すこともしない。
副社長は、侵入者の対応より、ゲネラシオンブルの秘密を守ることと本部を破棄することしか考えてない。
ミラーをシェルターに誘うバンドメンバーの緊迫感の無さ。
ミラーの前にトゥルースが現れ、警備隊がかけつけも「ミラーさんですよね?ファンなんです」「どおも」とかドルオタの私語。
ガゼルがよっぱらってゲロを吐いてるとトゥルース登場。「あんた何してんだ?」と間抜けな台詞。
ハゲメカニックが、「米軍が取り返しにきたのか?」と、状況を飲み込めてない台詞を言う。
ろくに情報伝達もされてないのか?と、組織の緩さにガッカリする。
トゥルースの目的は不明のまま、社長と副社長が、敵の目的は上だ下だのと対立を始める。
ゲネラシオンブルに侵入者が現れたら、社長以下どういう指示系統で、各部署がどう反応するか、
キビキビした緊張感をかっこよく描くところじゃないの?
「なんか、警報なってるけど、俺には関係ねえや。」的なペーソスを描きたかったの?
で、トゥルースの目的が曖昧だから、トゥルースが目的を果たしたのか諦めたのか変更したのか止めたのかもわからないし、
社長と副社長が喧嘩してても、どっちが一枚上手かすらも描けてない。
登場するキャラの、誰を見ても、カッコイイわけじゃないし、魅力的に描けてないってことなんだよ。
せめて最期にイビチャに「侵入者は、エウレカの子のアオに、どんな関心があったのか?」くらいは言わせて、今回の話を総括してくれよ。 本家エウレカセブン12話の月光号の戦闘場面は、緊迫感ありありなのに、
AO7話のトゥルース襲撃シーンは緊張感が何も無い。
視聴時間は同じのはずなのに、本家のほうが10倍くらい密度が濃い。
ケンゴーがギジェットを叱るシーンの、
「”でも”と、”だって”は、要らん!」という台詞も、コミカルながら、
戦闘中の緊張感をきちんと演出してる。
月光号各メンバーは自分の仕事を的確にこなしてるし、
ホランドは、イズモ艦との対決で頼もしいリーダーぶりを発揮してる。
ゾーンの中に消えるニルバーシュを目で追うヒルダの一瞬の沈黙の横顔とかしびれますよ。
カッコイイですよね。
AO7話に、そういう、キャラを引き立たせるカッコイイシーンってありましたか?
無いですよね。そういうことなんですよ。
さらに言うとね、本家エウレカセブン12話で、
ゾーンの中に消えた2機のニルバーシュ(ジエンド)を、レーダーでモニターするシーンがあるでしょ。
ゾーンの中で何が起きてるのか、ニルバーシュは無事なのか、視聴者は固唾を呑みますよね。
AO7話では、トゥルースとアオの生体反応をモニターして、
格納庫に侵入者が接近していくことを司令室が確認した段階で、
社長の号令でニルバーシュの緊急発進を指示するとか、盛り上げ方ってあると思いますが、
社長は副社長とぐだぐだ話してて、ハゲメカニックはレベッカと無駄な言い争いとか、
トゥルースがアオの目の前に現れたにも関わらず、レベッカがすぐに銃を発砲するでもなくやられるとか、
そんなダラダラした演出おかしいですよね?
社長のスクランブル要請を受けて、ハゲメカニックが直ちにニルバーシュを発進準備、
突然格納庫で爆発が起き、進入者に対してレベッカは躊躇無く発砲するも、
煙でトゥルースの居場所は見えず、気が付けばニルバーシュの目の前に、というノリでしょう。 アオと一緒に、フレアとエレナもスクランブルがかかってるはずなのに、なんで格納庫にいないの?
これも、脚本家の頭には、ここで「アオとトゥルースを出会わせる」ということしかなくて、
格納庫を舞台にしてるなら、そばにイビチャもフレアとエレナも居るはずだ、という状況を忘れてるんですよね。
いきあたりばったりってのは、こういうことなんですよ。
全てが、「今、こういう状況なら、こうなるはずだ」というのを忘れて、
アオとトゥルースの台詞だけしか考えてないから、盛り上がる場面も盛り上がらず、
全てがダラダラと中途半端な思いつきの台詞の羅列だけで終わってる。
アオの近くでフレアとエレナもスクランブル待機させて、ちょっとした台詞を言わせるだけで、場面はより緊迫度を増す。
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アオ「本部でスクランブルなんて、よくあるんですか?」
フレア「今まで一度も……。 アオ、これは訓練じゃない。油断しないで!」
レベッカ「フレア、エレナはどうしたの? 一緒じゃ無かったの?」
エレナ「ごめん、おくれたぁ」
イビチャ「エレナ、遅いぞ! 言い訳は後で聞く! 早く乗れ!」
(トゥルース登場)
アオ「誰だ?」
フレア「格納庫に侵入者現れました! アオが危険です! 発砲許可願います!」
エレナ「アオに当てたらだめよぉ!」
アオ「出ます!……は?」
(飛行するニルバーシュにとりついてるトゥルース)
トゥルース「この機体を探していた。」
アオ「おまえ、ニルバーシュから降りろ!」
トゥルース「ニルバーシュと言うのか……あの女の乗っていた機体。」
アオ「あの女って、母さんを知ってるのか?」
トゥルース「この機体を動かせるおまえこそ、この世界に何をもたらす存在だ?」
(Bパートへ)
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トゥルースの当初の目的がニルバーシュだと明かしてから、搭乗者のアオに興味を向かせること。
なにが、「やっぱりお前か、ずっと会いたかった」だ。無意味な台詞を書くなボケ。 AO7話Bパート
冒頭、ゲネラシオンブルの破壊された箇所は修繕中。チーム・ゴルディロックスが復帰。
クロエが「アオは?」と尋ねる。
ブランが意味ありげに「フカイアオは……」と答えると暗転して舞台は沖縄に。
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Aパートで戦闘中だったのに、トゥルースとアオはどうなったの?と、
視聴者は気になってるのに、おかまいなく、
この脚本家は、「あれから数日後」みたいな感じで沖縄に場所を移し、
ガゼルやアオは、休暇で沖縄に戻ってきてますよ、というようなミスリードを誘おうとしている。
まず、さっきまで戦闘中だったのに、「あれから数日後」とかってやっても、
視聴者は納得いかないんで、そこからさらにミスリードを誘おうとしても視聴者は乗ってこないと思いますよ?
わけわからん話しが始まった、つまんないアニメ、としか思わないでしょう。
ここでは奇妙な体験を視聴者に味わってもらうことがテーマですが、
視聴者を困惑させることと混同してはいけません。
本家エウレカセブン12話では、レントンはゾーンで奇妙な体験をしますが、
視聴者にはそれが、ゾーンの中に飛び込んだレントンの夢であることは、確実にわかっています。
ニルバーシュがゾーンに飛び込んでから、レントンの夢までずっとシーンは繋がっています。
だから、視聴者も、これはゾーンの中の夢なんだとわかります。
わからせないようにする理由などありません。
ここは単純に、Aパートに続いて、トゥルースを乗せたニルバーシュが森に墜落、
アオの後を追って飛び出したフレアが「アオ? どこに居るの? 応答して!」と、必死に森の上を捜索。
ゲオルグ「アオの生体反応が低下しています。危険な状態にあると思われます。」
フレア「アオー!!」
と、ここまで見せた後、暗転して沖縄のシーンに行くのがベターでしょう。
Q「それじゃあ、視聴者は、沖縄のシーンがすぐ夢の中の出来事だってわかっちゃうじゃないですか?」
A「はい。かまいません。何か問題がありますか?」 沖縄で、トゥルースは、アオに化けてナルを誘います。
もしかしたら、それをやりたくてトゥルースを変幻自在なキャラに設定したかったのかもしれません。
しかし、夢の中という前提なら、どんなキャラでも別のキャラに化けることは問題ありません。
わざわざ現実でもトゥルースを変幻自在なキャラに設定しなければならない必然性などありません。
で。
なんだかんだで、ナルはトゥルースの誘いにのって、アオから離れていきます。
目が覚めたアオは、夢だったと安堵するところですが、
すかさず、沖縄でナルが行方不明になった事件を聞かされショックを受けます。
てゆーか。この話し、なんにも面白くないですよね? チーム名にもなってる「パイドパイパー」ですが、
これは有名な「ハーメルンの笛吹き男」のもじりということです。
史実をもとにした伝承らしく、このような事件があったそうです。
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ハーメルンの子供たちが、笛吹き男にさらわれました。
おわり。
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AO7話が、まさにコレなんです。
これは、ストーリーテリングとしては欠陥があって、
「なぜ、笛吹き男は子供たちをさらったのか?」
「その後、どうなったのか?」
が、語られていません。
「ハーメルンの笛吹き男」は、その後、物語性を持って伝承されていきました。
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ネズミの害に困ってるハーメルンの街に、笛吹き男がやってきました。
報酬と引き換えにネズミを退治すると市長と約束し、笛吹き男はネズミを退治しました。
でも、市長は約束を守らず、笛吹き男を追い出しました。そして数日後。
ハーメルンの子供たちが、笛吹き男にさらわれました。
おわり。
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トゥルースは、ナルを誘った理由として「面白い」とだけ言いました。
それはそれでいいのですが、まだ、ストーリーとしては終わっていません。
問題は、「その後」です。 現代の作家は、現代のストーリーテリングに則り、
「ハーメルンの笛吹き男」に、なんとかオチをつけようと努力しました。
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例1
ハーメルンの街の人は、自分達が悪かったと反省しました。
すると、子供たちは開放され、また、街に帰ってきました。
例2
ハーメルンの街の大人達は、悪い人ばかりでした。
街を出た子供たちは、自分達でより良い街を作り、みんなで幸せに暮らしました。
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おおむね、街の人を戒めるために、笛吹き男は子供をさらった、という構図は昔から変わりません。
街の人が改心して子供たちがそれを了承するか、子供たちが自ら良い大人になるか、の違いです。
ここで、笛吹き男が善人か悪人かは、大きな問題にはなりません。
残された街の人がどう考えるか?街を出た子供たちがどう考えるか?です。
ナルは例2のパターンです。
人間とスカブの共生という、よりよい世界を求めて、トゥルースの誘いに乗りました。
もし、アオがナルに酷いことをしていたなら、アオがナルに謝ることで、ナルが戻ってきたかもしれませんが、
アオは、ナルに謝るようなことを何もしてないので、例1のような結末にはなりえません。
結局、ナルはアオの元を去って、2度と戻りません。 単純に、悪い奴にナルがさらわれたなら、助ければいいだけの話しです。
しかし、ナルが自分からトゥルースについていったため、助けにいけばいいという話しにはなりません。
子供がいなくなったハーメルンの街の人は、自らを反省することは出来ますが、
アオは、自分は何も悪くもないのに、苦渋を舐める立場になってしまいました。
アオの心の傷をどう癒すか?が、AO7話のアオに必要なものです。
アオを癒せるのは、ナルにかわる身近な理解者の存在です。
>>27のように、フレアがその立場として、機能すべきでしたが、何もしませんでした。
さらには、AO23話で、ナルは間違っていたという結論を提示しました。
「笛吹き男についていった子供たちは間違っていた」と、ハーメルンの街の人が結論を下したと同じことです。
そこには何も寓話はありません。
だから、面白くないわけです。 本家エウレカセブン12話の出来の良いところは、一言で語りつくせない。
脚本も演出も何もかもが素晴らしい。
コーラリアン雲の周囲では物理法則が変わるという設定も、
ビームが曲がる描写で的確に説明、それを利用しての攻撃、反撃と、
戦闘の緊迫感に溶け込んでいるので、設定を説明されてる感じが全くしない。
人間ドラマも幾重も重なって、一瞬の隙も無い。
レントンが目を覚ますときでも、エウレカに手を引かれて「一緒に帰ろう」と言われて帰る。
目を覚ますと、コンパクドライブを掴むレントンの手にエウレカの手を添えている。
どこから見ても非の打ち所が全く無い終わり方。
こういうシーンを見ると、視聴者は、また次回も見たいと思うでしょう。
AO7話の、ナルが変な男に連れさられ、アオが悲痛の叫びを上げて終わるだけって、
視聴者にとっては、こんなアニメ早く忘れて、他の面白いアニメ見ようとしか思わないでしょう。 AO7話の脚本家が、ただのド素人だったらまだ救いはあるが、
あえて視聴者を不快にさせようという魂胆があったとしたら、いよいよ救いようが無い。
ラストの台詞が非常にひっかかる。
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ナカムラ(日本軍が手に入れたニルバーシュをゲネラシオンブルに奪われたので)「嫌がらせでもしますか?」
連合軍大佐「ゲネラシオンブル本社地下には、まだアレがある模様です。」
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「いやがらせ」という単語がぽんと出てくるということは、脚本家の頭にそれがあるということ。
今回は、視聴者に対して確信犯的にいやがらせをしたかったんじゃないかと勘ぐってしまう。
視聴者にいやがらせをしても、脚本を書いてる自分は楽しいものだから、
こういうアニメを見たら視聴者も楽しいだろうと勘違いしたのかもしれない。
かなり深刻な病気を疑う。
連合軍大佐の台詞は、ストレートに言えば「アオやニルバーシュには興味無い」という意味。
本来なら、ゲネラシオンブルに潜入したスパイは、
エウレカの子であるアオの潜在能力の秘密とか、
ニルバーシュの戦闘能力、サードエンジンの性能について調べて報告するべきなのだ。
それがあれば、アオもすこしは主人公として救われるだろう。
それをしないということは、視聴者に対して「アオやニルバーシュには興味持たなくていいよ」=「本作品の否定」ということ。
本作品を、面白いアニメとして盛り上げるつもりは、ハナからありませんと、そう脚本家は漏らしてるわけです。 面白いアニメを作ろうとしたら、視聴者の関心をどこに向けさせるか考えるべき。
視聴者の関心を得たいと思えば、それは簡単にできる。
なにかにつけて主人公を話題にして、主人公を中心にドラマを作り、
主人公を明るく、力強く振舞わせ、輝かせる。
脇役には敵味方関係なく、「あいつはスゴイ」などと、主人公の存在を噂すればいい。
すると、視聴者の頭に自然に刷り込まれるから、
「このアニメの主人公はすごい」=「このアニメは面白いかもしれない」と感じるようになる。
逆に、主人公の悪口ばっかり言わせたり、無視したり、主人公がつまんなさそうな顔ばっかりしてると、
視聴者も「この主人公、つまんないな」=「このアニメ面白くないな」と感じるようになる。
初代エウレカセブンでも、初めの頃のレントンは、あまりカッコよくは描かれていない。
非常に危ない橋を渡っていたと思うが、
レントンのモノローグの多用で、レントンの存在感を印象付けアピールしてる。
本家エウレカセブン7話のラストでは、
エウレカに「レントンはすごいね」と言わせて、
レントンをカッコ悪く描いたことの埋め合わせをしている。
これが計算された上手い脚本なのだ。
アオの場合は、モノローグで自分を鼓舞しようとしないし、
クロエに「ド新人」と呼ばれるなど、他のキャラから舐められてばかりで、褒められることはほとんどない。
アオを、普通の少年として描くことには成功してるが、
フレアやエレナのピンチをアオが救うといった王子様的な魅力は無い。
レントンには、それがあった。 AO7話のラストでは、アオをダウンさせて、
さらに、日本軍や連合軍のシーンを追加している。
このようなことをすると、視聴者の関心は、アオからどんどん離れていく。
本家エウレカセブンでも、ラストで、レントン側の視点ではなく、
デューイが陰謀をめぐらすなどのシーンで終わる回がある。
その本編の中身を見てみよう。
4話−レントンがゲッコースティトを理解していく−デューイ初登場
10話−無重力バンザイ〜物思うレントンとエウレカの笑顔−アネモネ初登場
14話−レントンとドミニクが、エウレカとアネモネを救うために奔走−ドミニクがレントンに関心を持つ
22話−レントンがチャールズ夫妻を出会い、気持ちが安らぐ話し−ドミニクの偵察
23話−レントンの試練−エウレカ「レントンに会いたい」エンド
24話−レントンの決断−エウレカ「レントンに会いに行きたい」エンド
26話−レントンとエウレカのモーニング・グローリー−チャールズの逆襲の予感
16話〜21話の鬱展開中は、ラストで敵の動向を見せることは無い。
こうして見ると、本編とエピローグのバランスが絶妙に計算されていることがわかる。
ラストでレントンを出さない場合、なるべく本編では明るい話しで締め様としている。
鬱展開中は、ラストでレントンとエウレカ以外に注目させないようにしている。
レントンが月光号を離れているときは、エウレカを使ってレントンの名を呼ぶ。
AO7話で、アオをダウンさせたあと、日本軍や連合軍を出して視聴者の視点を分散させたことが、
いかに愚かしい行為か、まともな人なら理解できることでしょう。 AO11話は、AO7話に続いて酷い。
詳しく解析するために、視聴しなおすのも苦痛なんだけど、
ちゃんとダメなところを指摘しないと、ただ感情的にいちゃもんつけてるだけみたいに思われてもアレだから、
ちゃんとダメ出しするよ。
まず、ミラーの件。
ミラーはエレナに殺されてるのに、ミラー本人のドラマが何も無い。
ここで、どういうミラーのドラマが必要だったかは>>62-64で指摘した。
ミラー個人の人格を無視してはいけない。
で、7話のミラーは、時系列で言えば、エレナの変装だったんだろうけど、
すると本物のミラーがスパイ活動していたという実態が本編で何も描写されてないことになる。
台詞だけで、ミラーがスパイだったと説明してるだけ。
最低限、ミラーがスパイ活動をしていたのを、かエレナが知るというエピソードは必要。
ここで必要なのは、客観性ね。
ミラーを殺したエレナだが、その重大性を指摘する第三者が誰もいない。
エレナ本人が、18話で「私がミラーを殺した」と白状してるが、
殺人についても、スパイ活動を継続したことについても、それに釣り合う罰をエレナは受けてもいない。
「エレナは、そういう不思議キャラ」という記号として殺人を軽く扱ってる。
「命」を軽くみている。 ここで問われるのは、脚本家の倫理感である。
アオやフレアは、敵であっても生身の人間を平気で殺すようなキャラではない。
エレナだけが、人だって殺しちゃう頭のおかしいキャラなのだ。
で、唯一の罰が、フレアにビンタをくらったことですか?
命の重さと釣り合わないですよね?
脚本家に、まともな倫理感が無いと、殺人者としてのエレナの苦悩も描けないし、
協調性が無いと、殺されたミラーの立場を思い測ることもできないし、
社会通念が無ければ、エレナが相応の罰を受けなければならないということも、見落としてしまう。
その他、一切の人間ドラマを描くことは不可能。
だから、この脚本家は頭がおかしいと>>30で指摘しました。何か文句ある? 初代エウレカセブンというのは、
エウレカとレントンのラブストーリーとしても十分見ごたえがあるのだけど、
登場するキャラの人間性がとても豊かなことも見逃せない魅力になっている。
ギャグで笑いを誘うことはあっても、人間性を疑うようなキャラは一人もいません。
デューイであっても、そういう人物ということで存在感があります。
「こういう状況におかれたら、このキャラは、このように発言し、行動する」ということが、
少しのブレも無く描かれている。
だから、そこに生まれる人間ドラマが自然なのだ。
設定の説明をしていても、ドラマの中に溶け込んでいるので設定の説明を聞いてる感じがしないのだ。
AO3話でレベッカが「カラオケを歌って帰る」とか、
何が面白いと思ってそのシーンを作ろうと思ったのかまるで理解できない。
前後の状況と全くつながらないし。
他にも、AO3話は、人間性を疑うキャラのオンパレード。
脚本を作るのがヘタクソで、上手くストーリーが作れないのなら、まだいい。勉強していただければいいのだ。
キャラの人間性もキチンと描けないようでは問題だ。脚本家の人間性が疑わしいからだ。 脚本家の頭に、「このキャラの人格を大切にしよう」という発想が無いから、
キャラの性格を壊すことも、罪悪感を感じることなく軽く出来てしまう。
一時的にキャラを狂わせてドラマを作るという手法はある。
知ってる人は知ってると思うが「謎の円盤UFO 謎の発狂石」もキャラが狂う話しだ。
おそらく、脚本家もそれをモトネタにして、AO11話を作ったことだろう。
キャラが壊れるシーンを作るのは面白い。しかし最期におとしまえをつけなければいけない。
自分を見失って暴れていたキャラが、正気に戻り、自分のしたことの責任という現実を見つめつつ、
任務に復帰するまでが、一連のドラマとなる。
AO11話は、ただ、キャラを壊して遊ぼうとしてるだけ。
誰も責任を感じず、任務に復帰するという描写も無い。
「狂ったのは微粒子のせいだから、自分は関係ないよ。自分も被害者だから、責任取る必要もないよ。」
という結論を、AO11話で出している。
脚本家に少しの人間性、責任感があれば、このようなシナリオにはならない。
エレナはしれっと、他人のフリをしてるし、
アオは、自分の身に何がおきてたかということも、認識していない。主人公だろがおまえ? AO11話のような話しの場合、テーマとなるのは、
「自分の失態と、責任の痛感、罪の意識を乗り越えての成長」
本家エウレカセブンの、
レントンが戦闘で殺人を意識し、人格が壊れた20話から26話がそれにあたる。
もっとも、本家エウレカセブンの脚本は神の領域なので、真似しろというのは酷だ。
少なくともAO11話の中で、狂ったキャラがそれぞれ自省するようなシーンを作るべきだった。
難しいことは何もない。
クロエ達は、ブルーノの写真をただ無言で見つめているだけでいいし、
フレアは、ベッドに横たわり、お腹をさするだけでいい。
エレナは、あの場面でもいいが、そでの下にリストカットの傷跡でも見せれば、
それが罪の意識の象徴となり、ドラマとして成立する。
アオの幻覚が一番酷い。
エレナに微粒子うつされてエレナに誘われてついていき、ぐだぐだのまま車外に放り出されただけ。
アオは、様子がおかしいエレナを呼び止めようとして、微粒子をうつされたほうが、まだマシだ。
あとはエウレカの幻覚を見て、「違う、母さんじゃない!」と正気に戻り、それを受けて、
エレナも正気(というかミラーを敵のスパイと認識する)に戻るという流れだろう。 幻覚を見るネタというのは、シナリオの作法においては、
キャラの自責の念の投影ということになる。
何か考え事をして、落ち込み、ストレスを感じてる時が、幻覚を見るトリガーになる。
だから、楽しい時に、楽しすぎて幻覚を見ることはない。怒っている時も見ない。
なので、ブルーノの死に直面したチーム・ゴルディロックスや、
母親を亡くしたフレア、ミラーを殺したエレナが幻覚を見るのは正しい。
しかし、アオは、この段階で自責の念などなく、ナルをさらったトゥルースを憎んでるだけ。
だから、幻覚を見るような条件が整っていない。
アオの幻覚には説得力が無い。
AO11話までに、何かアオに自責の念を抱かせるようなエピソードが必要だった。
アオにはそれが無いので、ぐだぐだな幻覚になってしまっている。
アオがナルに心無い言葉をぶつけて、すれ違いの喧嘩をして仲直りできないまま、
ナルはトゥルースになびいていった、というシナリオなら、まだなんとかなっただろう。
そして幻覚を見たアオが自分の問題を直視し、成長するまでが、
一連のシークエンスとして、11話で完結していなくてはいけない。 ガゼルが、エレナとミラーが同一人物じゃないかと調べているが、
これが、大いにピントがずれてて変なのだ。
エレナとミラーが同一人物かどうかなんてのは、
ガゼルが社長に資金を仰いでまで調べなければいけないことではない。
ゲネラシオンブル内に居るのだから、二人をすぐ呼び出すだけで結果がわかる話だ。
社長が「ミラーとエレナが同一人物とは信じられない。」なんて台詞をごちゃごちゃ言っているが、
それは当然だ。視聴者だってそう思うだろう。それ以前にどうでもいい話題だ。
社長がガゼルの調査を拒む場合、
”エレナがミラーのふりしてスパイ活動をしていることを、社長は承知して泳がせている。”
というシナリオの伏線となりうるが、現状のストーリー上、何の意味も無い。
また、現状だと、ミラーが本当にスパイだったかどうかは、
客観的にゲネラシオンブルの人間は誰も知らないということになる。
ガゼルは、「ミラーは敵のスパイではないか?」と疑って調査を開始するのがスジではないか?
そして、ミラーが連合国軍と接触していた事実をガゼルが掴み、社長に報告するも、
「すでにミラーは灰になった」と伝えられ、調査は打ち切りになる。
ガゼルは調査結果を握りつぶし、
「ミラーはスパイなんかじゃなかった。俺達の歌姫さ。それでいいじゃないか。」と、つぶやく。
こうすれば多少ガゼルにもドラマが生まれる。 ミラーはゲネラシオンブルに招かれて大人気だったという設定なのに、
ミラーが死んでも誰も悲しんでないって、おかしいんだよ。
ミラーは、エレナの不思議ちゃん属性の、単なる記号でしかない。
人間の感情を無視して、話が進んでいくから、
何が起こってるのかさっぱりわからない、変なアニメになってしまってる。
エレナが「敵のスパイが潜入しました」ってミラー(微粒子)の乗った車を撃ってるけど、
ここ、どういう感情で見たらいいの?
劇中のミラーは、殺されるほどの悪いこと何もしてないよね?
ミラーはエレナと話してただけなのに、
エレナのほうが急にミラーに掴みかかって、「わたしは誰?」って言われても、ミラーは困ってるだけじゃん。
で、いきなり、「敵です!」で殺すのは無いわー。
もっとちゃんとミラーのドラマを作れよ。 ナルの位置づけについて。
全体を通して見てから、改めてナルがこのストーリーでどう機能していたか検証してみる。
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ナルは、アオの幼馴染。
10年前のスカブバーストで、ウミキョンチュに助けられた。(と、思ってる)
同時に呼吸器疾患に陥った。(スカブのせいとは思ってない?)
ナルは、アオがゲネラシオンブルに就職したのを見て、自分も飛びたいと思う。
トゥルースと出会って、騙されるフリをして、トゥルースを導いて世界を変えたいと思う。
スカブとの対話で、スカブとの共生を目指す決意をする。
医者から、ナルはスカブに寄生されて、トラパーが濃いと死ぬと教えられるが信じない。
スカブを守るため、トゥルースの力を与えようとスカブに与えるが、トゥルースに拒否されて攻撃される。
トゥルースのいない別時空では、スカブを守ろうとしてアオに攻撃される。
ナルは、アオが新しい彼女ばかりつくるので嫉妬してる。
そんなナルだが、アオからは、「大切な人」と思われている。
アオはナルを助けるため、アオの親子喧嘩の原因になる。
-------------------------------------------------------------------
これが、ナルのストーリーなんですよね?
最期まで主人公の気持ちを一切考えないヒロイン(?)って、見たこと無いんですが。
普通は、主人公の気持ちを理解して、「私のために争わないで」くらいは言うものなんですがね。 では、アオの理解者というのは存在するのか?
アオの気持ちをまっすぐに受け止めて、アオと一緒に行動すると決めたキャラはいるのか?
フレアがそこに一番近い存在のはずだったのだが。フレアの気持ちはこんな感じ。
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アオは年下で幼馴染を気にしてるので男と見てない。
呼び捨てにされるのを嫌う。
アオが成層圏から墜落しそうなときは、なんとかしてよと、パパに懇願。
エウレカが現れたことが、何故か気に入らない。
アオがエウレカを未来に返そうとするのを、止めようとする。
エウレカが現れてから、アオがおかしくなった、と思う。
アオが、クォーツガンで世界を変えてしまったことを信じない。
アオが連合軍に寝返ったけど、気にしなかったので、エレナに説教される。
エレナがアオの本心を確かめるが、フレアは自分からアオの気持ちを確かめようとはしない。
社長は、娘のフレアが行動を起したと思って、会社をフレアに譲って、トゥルースを殺そうとして死ぬ。で、アオの胸で悲しむフレア。
社長になったフレアは、アオがトゥルースとバトルしても見てるだけ。
アオがエウレカのところに行こうとすると、涙目で止めようとするが、思いは届かない。
-------------------------------------------------------------------------
これが、フレアのストーリーなんですよね?
最期まで主人公と気持ちを通わせないヒロイン(?)って、見たこと無いんですが。
普通は、主人公の気持ちを理解して、「アオと一緒なら、死んでもいい」くらいは言うものなんですがね。 エレナのストーリーはこんな感じ。
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エウレカに抱かれて、月にハートマークのある不思議な世界を見る。(記憶はここから)
エウレカに岸辺に捨てられた事を恨んで、月にハートマークのある世界に戻りたいと思う。
身分証をひろって「エレナ・ピープルズ」になる。
孤児院で育つ。(たぶん、アニメばっかり見て過ごす。)
ゲネラシオンブルに保護されて訓練を受ける。
新入りのアオには興味がなさそう。
自分とよく似てるミラーにいいがかりをつけて殺す。
幻覚を見たエレナは、ミラーがスパイだと言って、もう一度殺す。
エウレカが来たと知るが、腹が立つだけ。
クォーツガンが世界を変えると知ったエレナは、アオの理解者を自認して接近。
アオが連合軍に行っても普段通りの生活。
エレナとミラーの墓を作って、フレアと話すきっかけが欲しかったのに無視されて逆切れ。
腹立ちまぎれにアオを連れ戻しに行く。
アオにクォーツガンを撃って欲しいと頼むが断られたので、脱走して連合軍に加わる。
唐突にエウレカに真実を告げられ、ショックを受ける。
エウレカ親子にバカにされ、アオを威嚇して、アオにクォーツガンを撃たせようとする。
実はアオが好きだったと自分の気持ちに気が付くも、思いは届かない。
再度エウレカが出現するも、まだ、エウレカを恨んでて困らせる。
フレアがアオの後を追いかけるが、もうどうでもいい。
---------------------------------------------------------------------------------
基地外キャラなりに、わかりやすいキャラとは言えるが、ラストで成長が見られない。
AO23話でエウレカと再会した時など、まだ憎まれ口をたたくのはおかしい。
エレナはエウレカに感謝すべきだった。「この世界に連れてきてありがとう。アオと出会えたから。」
ストーリーを通して、キャラがどう成長したか、「思い」を描かないと、視聴者の心には届かない。 アオのストーリーはこんな感じ。
---------------------------------------------------------------------------------
母さんと会いたい。父さんと会ったら、殴ってやる。
(なんだかんだで、宣言通りに父さんとバトル。)
レントン「おまえのためだから」
アオ「ありがた迷惑だから」
(アオは両親を未来に帰して、世界をリセット)
---------------------------------------------------------------------------------
アオは、最期まで父親の意向を汲まずに、我を通して対決しただけなんですよ。
で、「子供がそこまで言うなら」と、親のほうが折れただけ。
親子喧嘩のドラマとしても、面白くない。
基本的に、親が子供の心配をするのは、「孫の顔が見たいから」と思っていただいて間違いありません。
だから、ラストでは息子に彼女が出てきて、それを見た親が安心して帰る、
というのが、基本的な親子のドラマのあり方です。
すると、理想的なラストはこうなります。
アオが光の柱に飛び込んだら、フレアも続いて飛び込む。
アオを心配する両親の前で、アオはフレアのことが好きだと告白し、フレアも同じ気持ちだと答える。
レントンはフレアを見て「ちゃんと子供産めるのか?」と聞き、
気の早い話に慌てるアオをよそに、思わずフレアは「産めますから!」と、答える。
これで、フレアの体の問題も解決する。 一応、話題にしておくか。
AO7話のラストとか、AO20話のBパートで、
ゲネラシオンブル本社地下にあったの、ジエンドですよね?レプリカかも知れんが。
最初はその設定をしてて、初代ファンを釣ろうとして、
「最終話近くで、ジエンド登場か?」と期待させて裏切るいつもの作戦だったのかな?
実際に地下から現れたのは、コードネーム・カノン。
これで製作者は、「ジエンドが出てくると思ったでしょう? そんな単純な展開にはしませんよ。」と、
嘯いてるわけだ。
でも、視聴者は誰も気にしてなかっただろうな。
7話がクソつまんないから、ラストに何か出てきても、こっちはウンザリしてるだけだよ。
こっちは気にもとめてないのに、製作者は、勝手にネタを小出しにして、違うネタを持ってきて、
「どうだ、騙されだろう!」と得意げな顔をすると。
そんなんばっかりですよ。 「デウス・エクス・マキナ 」
物書きなら絶対知っておかなくてはいけない作劇手法である。
こんがらがった話を、ラストで神様が降りてきて解決するという手法。
ようは、「夢オチ」。
古代ギリシャの演劇で生まれ、すぐさま批判され、現代では完全に否定されている。
主人公がどんなに困難な状況におかれても、「夢でした」ならば、全て解決できてしまう。
それまでのストーリーを無にすることでもある。
同じように、奇抜な伏線を張っても「勘違いでした」とやれば、その伏線は失われる。
推理小説なら、「主人公が犯人」とか「主人公以外全員犯人」とか、1回しか通用しない手法も使いどころが危険。
魔法を使って、一気に都合の良い世界にするというのも、童話の世界でのみ許される。
AOの場合、この禁じ手のオンパレードなのが失笑です。
クォーツガンなんてのは、SFのふりをしてますが、ただの万能の魔法です。
クォーツガンを一度撃った時点で、歴史がどう変わるかなんて、SFならコントロールできるわけがありません。
ナルが存在しないこともありうる。
が、劇中のクォーツガンは、主人公にとってぎりぎり都合の良い世界になるようにしが世界を変えません。
トゥルースがアーキタイプになるとか、都合がよすぎるわけです。
3回目のクォーツガンで、誰も主人公を知らない世界に行くわけですが、それは、「夢オチ」と、意味は同じです。
今までのストーリーで起きた問題が、何も解決されてないわけですからね。
「目が覚めたら世界が変貌した=夢でした」
AOそのものが、悪い夢だったと、忘れるしか無いでしょう。 「真実」というテーマ。
トゥルース曰く「おまえは、真実が見えてない」→自分の正体を忘れてる
エレナ曰く「なんで、知ろうとしないの?」→自分の素性を知りたくなかった
これ、一応、キャラのドラマとして成立してるんだけど、
なぜか、感動しない。
「あ、そうなの。ふーん。」で見過ごしてしまう。
なんでかなー?
と思って、理由を考えてみた。
両方とも、キャラが基地外だから、感情移入できなかった。
ということだな。キャラは大事だな。 「この世界は間違ってる」
よく、世紀末SFとかで、悪の帝国が世界を支配していて、
人民は奴隷のような暮らしをして、人々は苦しんでる様を見せる世界で、
主人公が救世主として悪と戦う、といった場合、
確かに世界は間違ってるのだろうけど、その世界観の作品そのものは不愉快ではなく、面白い。
AOは、現実社会とはちょっと設定が違ってて、確かにAOの世界観は間違った様相をしてる。
で、作品そのものは不愉快ではない、というわけではなく、AOの世界観は、ハッキリいって不愉快だ。
なぜだろう? 沖縄独立という微妙な政治ネタが絡んでるからか?
「ファイサルアラビアは反米国家だ」という設定も、カチンとくる。プロパガンダ臭が酷いというか。
純粋なフィクションとして、見れないというか、フィクションを用いた風刺ならよかったのだろうが。
政治問題を悪意を持って茶化されてるような、サブリミナルで刷り込まれているような不快感だ。
おそらく、リアルな現実社会から来た、(トゥルースみたいな基地外ではなく)まともな人物を一人設定して、
その人に「この世界はどうなってるんだ? 沖縄は独立なんてしてないのに。」と、
視聴者の立場で客観的に言わせておけば、多少マシだったかもしれない。 異世界ファンタジーでは、主人公が現実世界から異世界に飛び込んで、
おかしな世界を体験する、というのが王道だ。
やはり、現実世界を知ってるキャラを立てて、
現実世界との比較対照があって、「この世界は間違ってる」と言わせないと、
その世界の人が「この世界は間違ってる」と言ったとしても、
その世界では、何がどう間違ってるのか、視聴者は理解に苦しむということだろう。
現実に近い、パラレルワールドの異世界ファンタジーを描く場合は、
誰か、現実世界から来た人を登場させ、「この世界は、現実世界とは、こことここが違いますよ。」と、
ハッキリ説明させたほうがいいのだと思う。 エウレカを登場させてるのに、エウレカが設定を説明するだけというのも致命的。
初代エウレカセブンのエウレカとレントンは、
互いの交流で惹かれあい、人間性を深めて成長する。
AOのエウレカは、登場しても、一通り設定を説明して、終わったらさっさと居なくなってしまう。
その説明すら矛盾する。
AO13話で「シークレットは敵ではない」と言った後、AO14話でシークレットと戦うエウレカ。
AO13話の異次元エウレカが不要なのであるから、AO14話で「シークレットは敵じゃないから、戦ってはだめ」と言えば済むこと。
AO14話は、エウレカを未来に返すドラマなわけだが、
誰が脚本書いても、もっと盛り上がる話しに出来ただろう。
あそこまでつまらなくできるのは、この脚本家は心底エウレカに興味が無いってことなんだろう。
まず、エウレカの返し方にしても、
「あの光の柱に飛び込めば帰れるかもしれない」→根拠なし
「この世界にエウレカがいてもいじめられるだけ」→消極的現実逃避
これっていわゆる「この世界が嫌だから、他の世界に行きたい」という、
トゥルースやエレナと同じ自殺願望と同じですよね。
脚本家に自殺願望があるのか、心がひねくれてるからキャラを輝かせて生かしておけないのか。 AO13話の引きは、アオを守るためにトゥルースと戦うエウレカの決意。
AO14話は、エウレカの活躍と、アオとエウレカのドラマを絡めてエウレカが元の世界に帰る話しになるべきだ。
ところが実際のAO14話は、エウレカのニルバーシュが敵に奪われる話だった。
ニルバーシュの奪われ方も超酷い。
ニルバーシュは自分の身を投げ打ってトゥルースと対峙したのに、そのまま敵の戦力になるとか無いわ。
むしろ、どうやったらそういうストーリーが思いつけるのか知りたい。
AO19話のブランがトゥルースと対峙したのに、トゥルースがパワーアップしただけという、それと同じ構図。
キャラが自分の身を犠牲にしたなら、死に様はかっこよく、相応の結果を出そうや。
無駄死にみたいな展開を面白いと感じるのは、脚本家の心がひねくれてるからだよ。
キャラをかっこよく描こうという意志がそもそも感じられない。
主人公をに不利な状況にどんどん追い込み、無様におろおろさせれば、
それがドラマチックな展開で面白いと勘違いしてるのだろう。 そこで、本家エウレカセブン39話のサッカー回をもう一度検証してみよう。
>>140でも、指摘したことだが。
無様にゲームに負けたゲッコースティト。
ゲーム終了後、ホランドはこう言う。
「もう一度ここへ戻って来よう。もう一度やつらと対戦しよう。誰一人欠けることなく。ゲッコースティト全員で!」
たったこれだけの台詞で、今までのおふざけがウソだったかのように、急に盛り上がるのがすごい。
いかに主人公が無様な目にあっても、最後に主人公は明日への希望を見いだすこと。
これが、盛り上がる面白いドラマ作りの基本なんだよ。
現実社会に生きる視聴者へのメッセージにもなる。
AOみたいに、無様におろおろしてるだけじゃ、視聴者へのメッセージも何も無い。
だから面白くないし、見てても時間の無駄だと思うし、見た後もすぐ忘れられてしまう。
この視聴者への熱いメッセージが作れるかどうかが、一流の脚本家かそうでないかの分かれ目なのだ。
本家エウレカセブンのサッカー回はバカにされることが多いけど、
それでもAOより遥かに面白いということがわかったろう。 AO19話でブランが死んで、AO21話でフレアが社長業をついで仕事をしている。
ここで、レベッカと、ガゼルが言う。
「父の死を無事に受け止めた?」
「ま、そうは見えるかもな。」
笑わせるよまったく。
この脚本家が無能で、フレアの心情を描写できないから、わかったような台詞で誤魔化して見ただけってのは、
こっちはお見通しなのよ。今まで延々そのパターンで手抜きの脚本書いてたでしょ。
本家エウレカセブンの45話で、
ユルゲンスがゲッコースティトと共に戦うと決意し、部下に訓示を述べるシーン。
あのユルゲンスの力強いスピーチと、それを受けてユルゲンスについていくと決めた部下達。
それと同じことがなぜ出来ない?
フレアが父の死を乗り越えたかどうかは、
フレアがゲネラシオンブルに残った社員に対して、スピーチすることで示すことが出来るのである。
「私は父を恨んでいました。だからこんなことを言う資格は無いかもしれない。
でも、父がやろうとしていた事、父がやりのこした事の全てを、
会社を引きついだ私の責任として、ゲネラシオンブルの業務を遂行していく覚悟です。
父は、世界を救い、人の命を守ることを常に考えていました。
父の人命救助への思い、その始まりは、娘の命を生かして未来を与えることでした。」 AO14話は、いきあたりばったり感がすごくて、何も評価すべき点も無いんだけど、
同じBパートの中の話しなのに、
病院で隔離されたり逮捕されたりしたナルやアオが、
なぜか埠頭まで行って、拘束具も手錠もかけられず、ふらふら歩き回るとか、手抜き以前の問題なんだよね。
そこは、誰が考えても、護送車に乗せられたままのアオやナルがいて、
ニルバーシュ(マークワン)が現れて、護送車を破壊。アオとナルは脱出。
ニルバーシュ(マークワン)に乗ってるのは誰かと思ったら、トゥルースだった。
ナルはトゥルースと共にニルバーシュ(マークワン)に乗って去る。
追いかけるアオは、埠頭に止めてあった自分のニルバーシュを奪って追撃するも間に合わず、
燃料切れになり、迎えに来たトリトン号に収容される。
ここまでは、ただの前フリで、描くべき本当のドラマはここから。
燃料を補給して、早くナルを連れ戻したいアオを、イビチャが諌める。
アオ「俺は、ナルを連れ戻すんだ!」
イビチャ「許可しない。ゲネラシオンブルに帰還する。」
アオ「ゲネラシオンブルなんて知るか! あんたは何もかも知っていて、今まで俺を利用してきたんだろ?」
レベッカ「そう思いたいなら、それでもいいわ。話しは終わり。」
フレア「アオ、辛いのはわかるけど、一人じゃ何もできないから。私じゃ、力になれないかな?」
エレナ「アオは一人ボッチじゃない。私も仲間だからね。」
ガゼル「母ちゃんを送り返したこと。俺は、おまえのこと、えらいなと思ってるんだぜ?
少しの間、離れ離れでさみしいと思うけど、また会える日が来る。そう信じるんだ。」
アオが苦境に立たされたなら、アオを支える仲間達を描いて締める。
それが人間ドラマだよ。