https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190614-00000155-jij-spo
厳しさ増す張本、伊藤包囲網 荻村杯初戦敗退

伊藤はバックを強くたたき込もうとするあまり打球点が合わなかったり、
フォアの強打で先に体が開き気味になって打ち損じたりと、序盤から良くない
兆候が見え、修正できないまま終わった。

 「(自分の力を)全部出し切れずに終わってしまって、悔いが残る。
良くない時に引きずってしまうのが悪いところ」と伊藤。

 最近は第1ゲームの重要性を痛感するなど、目の前の1点に集中するよう
心掛けて試合をしてきたが、かえって前のめりになる傾向もあり、
「1ゲーム、1試合を通して考えられなくなっている」という。

◇自分の卓球させてくれない

 張本と伊藤は高速卓球の申し子のような存在だった。サービス、
レシーブで先手を取り、パワーが物を言うラリーに持ち込まれないうちに速攻で
決める。とりわけ張本はチキータを、伊藤は多彩で相手の意表をつくテクニック
を武器に、レシーブから先手を取るパターンを得点源にしてきた。昨年のこ
の大会は張本が馬竜(中国)を、伊藤が王曼◆(◆=日の下に立)(中国)
を倒すなどしてダブル優勝を果たしている。

 しかし、わずか1年の間に、世界は次々と対策を練り、戦術を凝らしてきた。
各国の選手たちは、張本と伊藤に得意なレシーブをさせないサービスを出したり、
強いレシーブをされても待ち構えて打ち返したりと対策を徹底。2人が、
パワーのある選手にラリーに持ち込まれ、押されて負ける試合が目立っている。
この日も「押されるがままになってしまった」と伊藤。

五輪に向け、中国以外の選手からのマークも一段と厳しくなる2人。
伊藤は「自分らしさを出させないようにしてくる選手がすごく多いけど、
相手はそのつもりでも、それでも勝てる実力と、相手はそのつもりでも自
分の中では『大丈夫、大丈夫』と言えるくらいの自信をつけたい」という。