http://jp.techcrunch.com/2013/06/13/20130612apple-hate-loves-qr-codes/

AppleはWWDCのキーノートで、近距離無線通信(NFC)を一笑に付したが、同じくらい(それ以上?)に冷笑され
ている技術であるQRコードを、こっそりと採用した。AppleはiOS 7にQRコードリーダーを内蔵した。そう、OSレベ
ルで。しかしそのやり方には、QRコードの存在は少々目障りであり、自社テクノロジーを推進するのに都合のよ
い道具ではあるが本気で持ち上げたり推奨するつもりはない、という明確なメッセージが表れている。

iOS 7のQRコードリーダーはPassbookアプリに内蔵されている。サービス全体を説明するためのPassbookカー
ドには、新たにコードスキャン機能が組み込まれている。Passbookの初期画面からワンタッチで利用でき、iPhone
のカメラを使って印刷あるいはウェブに表示された四角いバーコードを読み取ると直ちに認識する。しかし、次に
起こることを見ればAppleが全面的にQRコードに改宗していないことがわかる。

あらゆるQRコードを平等に扱い、どんな情報でも実行するリーダーを作ることは十分簡単だっただろうが、Apple
は汎用ツールを欲しくなかった。だからPassbookアプリのQRコードリーダーは、Passbookのパスにリンクしてい
ないコードをスキャンしようとすると、その目的に関する非常に明快なメッセージを発信する。親切なタレコミ人が
送ってくれたスクリーンショットが上にある。

統合の目的は明白だ。Appleはこれを、ユーザーがPassbookコンテンツをできるだけす早く簡単にライブラリー
に追加できる方法の一つと考えていて、そのための障壁はできるだけ減らしたい。しかし、QRコードそのものは目
的を達成するための手段にすぎない。究極の目的はユーザーがPassbookをもっと使うようになることであり、QR
コードは単なる道具だ。実際、QRコードを厳密にPassbookパスだけに制限することは、汎用技術として利用しよう
とするとはるかに有害だ。大量のiOSユーザーがQRコードをPassbookと関連づけようとするだろうから、その種の
コンテンツ提供していないコードには不満さえ感じるだろう。

これを、AppleがメインのカメラアプリでQRコードをサポートする前兆と考える向きもあるだろうが、期待しない方が
良い。Appleは自らの目的に合致する技術を選り好みするので、もっと良い方法が見つかるか、Passbookが十分
な勢いを得るために必要なくなれば、捨てられるかもしれない。少なくとも、これでQRコードがブームになることは
ない。Appleは永遠にこれを、Passbookを補助する下位ブランド技術として扱うだろう。