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 8月17日、米国Appleの株価が12ドル近く高騰し、1株648ドルという史上最高額に達した。同社の時価総額は6,000億ドル以上に
なる計算だ。

 多くの専門家によれば、投資家は9月にリリースの噂のある「iPhone 5」に加え、従来のモデルより小さく安価な「iPad」が発売さ
れる可能性に期待をかけており、それがAppleの株価を急騰させたのだという。

 ISIのブライアン・マーシャル(Brian Marshall)氏は、8月16日付けのクライアント向けメモの中で次期iPhoneが発売間近である
点に触れ、「光の180日間(180 Days of Enlightenment)」が迫っていると述べた。同氏の言う「光の180日間」とは、iPhone新モデ
ル投入後の6か月の間に、Appleのビジネスがさらに活性化することを意味している(マーシャル氏の持論では「暗闇の日々」が
その対極にあり、こちらは顧客が新製品を待っている間に売り上げが伸び悩む時期を指すそうだ)。

 「あと何週間かすればiPhone 5が発売され、われわれはいわゆる“光の180日間”に突入する」(マーシャル氏)

 ほんの数週間前には、Appleがウォール街の予想を下回る第2四半期収支結果を明らかにしたことから、投資家やアナリストが
Appleの株価に懸念を抱いていた。だが同社の株価は、それ以来73ドル(約13%)も増加している。2012年は現時点までで58%の
上昇を記録した。

 17日の終値は648.11ドルで、4月5日についた633.68ドルを超え、Apple株価の過去最高記録を塗り替えた。また、同社の株式時
価総額(全発行済株式の価値)が6,000億ドルの大台を突破したのもこれが初めてだ。Appleは現在、時価総額で世界トップの企
業である。

 投資家らは、iPhone 5のリリースによる記録的利益も予測しているという。なおiPhone 5とは、Appleが次期モデルの正式名称を
明らかにしていないので一時的につけられた仮の名前だ。先行予約開始日は9月12日、発売日は9月21日との憶測が広まっている。

 Appleは9月12日に「iPad Mini」も発表するのではないかと見られている。7.85インチ型タブレットのiPad Miniは値段が249ドルから
299ドルになる見込みで、Googleの「Nexus 7」をはじめ増えつつある同サイズの競合製品と張り合える価格帯に収まると思われる。