P308 ◇タヴィストック研究所の基本戦略―洗脳と大衆心理操作◇

タヴィストック研究所は「一般大衆爆撃」〔戦略爆撃調査、プルーデンシャル爆撃調査ともいう。
戦争で非戦闘員・一般市民を空爆によって大量虐殺し、敵国の戦意崩壊度を調査する〕なるものを発明した。
それを、ルーズヴェルトとチャーチルとが純粋に集団テロの臨床実験として実行した。

爆撃を行いながら、「制御された実験条件」のもとで「実験動物たち」がどのように反応するかを観察し、
その結果を記録し続けたのである〔こうした実験としてドイツのドレスデン爆撃や東京空襲が行われた〕。

タヴィストック研究所やアメリカの財団が用いるさまざまな手法は、たった一つの目標しか持っていない。
すなわち、個人の心理的な強靭さを破壊し、無力な状態に陥れて、世界権力の独裁者たちに対抗できなくすることである。

家族というまとまりを破壊し、家族によって植えつけられる宗教・道義心・愛国心・性行為などの
基本的なきまりを破壊するのに役立つあらゆる手法を、タヴィストックの科学者たちは群衆支配の武器として用いるのである。

フロイト派の精神療法で用いられる手法は、治療を受ける患者の人格に動揺を与えて、患者に永遠の精神疾患を引き起こす。
さらに犠牲者は、「人的相互作用という新しい儀式を確立する」ように強く勧められる。
つまり、刹那的なセックスの出会いを思う存分に楽しめ、というわけである。

しかし、実はこうした儀式こそが、参加者たちに自分の生活のなかの安定した人間関係が欠如した連帯喪失状態にさせて、
そしてついには家族を築き、守っていく能力を破壊するのである。
タヴィストック研究所が合衆国のなかで絶大な勢力となってきたので、だれでもタヴィストックもしくはその下部機関の一つで行動科学の訓練を受けていないかぎり、
どんな分野に進もうと頭角を現すことができないという社会になった。

ヘンリー・キッシンジャーは、ドイツからの難民としてロンドンの連合国派遣軍最高司令部(SHAEF)にいたとき、サー・ジョン・ローリングズ・リーズの生徒となった。
もしそうでなかったら、キッシンジャーのめざましい権力への上昇ぶりは説明がつかない。