http://www.chunichi.co.jp/article/feature/kyouiku/list/CK2017020502000007.html

<研修会を企画した日体大の南部さおり准教授(スポーツ危機管理学)の話>
 死亡者が出るなど重大な事故を起こした部活動の指導者から決まって聞くのが
「大学では(事故防止対策を)学んでこなかった」という言葉。学んでいないわ
けはないが、心に響いていない。それなら、学生のうちに、被害に遭った人の家
族の話を聞いてもらい、スポーツに潜む危険性を分かってもらおうと考えた。身
体能力の高い体育大の学生には、身体能力の低い子への配慮を忘れてほしくない
とい
う思いも込めた。

 部活動中の事故に十年前から関わっている。この間、部活動の指導の安全を高
める提言はさまざまされているが、重大事故は続いている。これは、部活動の根
本に
体罰の文化があるからだ。「自分も体罰を受けてきたから、そうやって指導して
いい」と思う指導者は多い。虐待の連鎖と同じ。試合に負けたときの罰で、グ
ラウンドを何十周も走らせることは体罰だが、そう捉えない甘い認識もある。