昭和34年(1959年)、人口増加と高校進学率上昇(ただし当時の高校進学率は20%程度)で全体の志願者が1700人も増えたにもかかわらず、一高の応募者は523人から379人へと、144人も激減した。

仙台一高の志願者数と倍率(入学定員350人)
昭和 志願数 倍率
31 456 1.30
32 466 1.33
33 521 1.49
34 379 1.08

仙台二高の志願者数と倍率(入学定員350人)
昭和 志願数 倍率
31 541 1.55
32 565 1.61
33 602 1.72
34 649 1.85

『河北新報』 昭和34年3月31日

【名門高校の入試異変】
【志願者激減した仙台一高の場合】

【反動あれば逆効果】
【文部省の見解 指導徹底は結構だが】
この問題について文部省初等中等教育局では「これまでそういう事例を聞いたことがないので」と正式な見解は避けているが、中学校側の指導が適切なら悪いことではないという考え方のようだ。

【文部省初中局中等教育課長安達健二氏の話】
中学校の進学指導について文部省としてはこうしろということはできない。しかし強制でなく、教師、父兄、生徒の間でスムーズに話し合いが行われた結果であるならば、決して悪いことではない。高校進学の狭き門をできるだけ避ける意味からいえば、こういう指導が徹底することも一つの方法だと思う。しかしこれは必ずしも長続きしないようにも思える。来年はこの反動でどっと有名校に志願者が押し寄せるようになったら逆効果だ。関係者はその点も十分注意してほしい。