話を戻すが、こういったイジメ問題が起きた時、例えば、今回のタイヤキの件ならば「浅岡ら5人を処罰して終わり」といった考えを持つ者が、金蘭千里の人間には多いように見える。
これは、大変に問題であると思う。

先ほど述べた通り、たしかに上記5人の俺に対する悪意は、他の生徒よりも酷いものであったが(けっして浅岡ら5人を擁護するつもりは無いが)他の大半の生徒の態度も大抵酷いものであり、そういう意味では、浅岡ら5人だけに責任を求めるのは違うように思える。
「トカゲのしっぽ切り」のことわざ通り、浅岡ら5人だけに全ての責任を押し付け、自分たちもタイヤキを見下していたにもかかわらず、なんの処罰も受けず、涼しい顔で、自分たちは何も間違っていない、むしろ正義であるかのように振る舞う人間が一番、陰湿で腹が立つ。
浅岡らは表に出てきて発覚しているだけ、まだマシなのかもしれない。

なぜ、そう言えるかというと、俺自身もイジメ加害者として、罪を着せられたからだ。