かつて東京都で学校群制度が実施された理由の一つとして、小尾乕雄が言うところでは、
都立高校教員の馴れ合いや癒着が当たり前のように見られたことを挙げていました。例えば、
名物教師の存在が意味することは、業者や保護者父兄その他の人間との癒着が容易に生じ
うるということが裏面としてあり、都立特権校批判に用いられもしましたが、それなら"象牙の塔"
に篭る国公立大学教授教官はどうなのだ?との素朴な疑問も湧いてきます。それは一先ず横に
置いといても、学校群制度自体は批判の多い欠陥制度でしたが、制度化された背景にはそれ
なりの原因もあったということでしょうか。当時の都立進学校には同窓会や父兄後援会の下
で補習科が設けられていましたが、他都立校と異なり都立日比谷高校や戸山高校などでは、
都立学校の教員の身分のままで補習科で受験指導していたため、公立学校教員の兼職規
定に引っかかっているとの指摘もあったようです