<辻正彦の職歴2>
・自ら招いた不祥事により、株式会社情報企画を放逐された辻としては、やむなく4年間も通った奈良先端大の恩師・菊池先生に泣きつく事しかできなかった。
・そこで先生から紹介された有限会社液クロサイエンス(現 エルシーサイエンス)に入社することになる。
 これには、逮捕歴がつき、専門の化学での無能ぶり、時間管理にルーズで実験やゼミを平気で無断で休む等の問題行動から
 通常の化学会社からは門前払いされたこと、また、指導教官としても奈良先端大が多くのOBを送り出している一流企業を紹介して、
 奈良先端大の名前に傷が着くことをおそれた事が関係している。
 結局、辻の再就職先としては、液クロしか見つからなかった。液クロとしても、辻は奈良先端大の先生から「たっての願い」という事で
 押し付けられた人であって、決して歓迎して受け入れたわけではない。
 辻は、こうした状況をわきまえ、液クロから受けた恩に報いるべきであった。