石垣島を含む八重山地方は台風、津波、マラリアなどの厳しい自然脅威だけでなく、琉球王国支配下(1500年〜)、島津藩支配下(1609年〜)、苛烈な人頭税(1637年)、島津藩から沖縄県へ(1879年〜)、大東亜戦争(1941年〜)、敗戦(1945年)、米軍統治(1946年〜)、本土復帰(1972年)など、ドラスティックに入れ替わる支配体制に抑圧・翻弄され続けてきた哀切の歴史が奥書や津波名にもにじみ出ている。