アムステルダムのスマートシティ構想は、同市が2006年にオランダを中心にエネルギー事業を展開するAllianderと共同でエネルギー問題解決の検討を開始したことに端を発している。

 その後、EU(欧州連合)が2008年に合意した「気候変動・エネルギーに関する政策パッケージ」の温室効果ガス削減目標の達成に貢献しようと2009年、EUの他都市に先駆けて「アムステルダム スマートシティ プログラム」を策定し、本格的な取り組みを開始した。

 エネルギー問題の解決を目指すところから始まったこともあり、当初はスマートメーターの導入による消費電力の可視化や、スマートグリッドの整備による電力需給の最適化、エネルギー制御が可能なスマートビルへの転換といった取り組みが進められた。そこからEV(電気自動車)の普及を目指した充電スポットの設置や、ゴミ収集や駐車場など公共スペースにおける環境問題全般の解決へと領域を拡大した。