人類は生まれ、増え、やがて地上に充ちますが、人々の吐く息から邪気が生じ、凝り固まって天地を曇らせ、神界も現界もしだいに乱れてきます。
そこで国祖は『天地の律法』を定めて、綱紀粛正をはかります。
しかし体主霊従の邪気に汚染された八百万の神々にとって、天地の律法は窮屈でならず、その律法を固執する国祖が邪魔になります。
そこで八百万の神々は天の大神に国祖の非をならし、直訴しました。
彼らの激しい不満は天の大神といえど静止きれず、国祖に 『少しく緩和的神政をせよ』 と説明し、妻神 豊雲野尊も 『時代の趨勢に順応する神政を』 と、涙とともに諫言します。
それでも国祖は、『律法は軽々しく改変すべきではない』といいきり、頑として聞き入れません。
天の大神は国祖の主張の正当性を知りつつも、『万紳に一神は変えられず』 と、涙を飲んで隠退を命じます。