「ルカによる福音書」は、こともあろうにイエス・キリスト自身が、心ない人によってベルゼブブ呼ばわりされるエピソードが所収されています。
イエスの一団が各地を巡って奇跡を起こしていたところ、それを見ていた人が「こんな次々に奇跡を起こせるのは、悪霊の頭たるベルゼブブしかいない。あいつはベルゼブブの力を借りているのだ!」と叫んだのです。

しかし、イエス・キリストは慌てず騒がず答えます。

「どんな国でも内紛が起これば自滅する。どんな家庭でも内輪揉めをすれば家族は倒れてしまう」(ルカによる福音書第11章)

ベルゼブブの目的は世に害毒をはびこらせること。彼の力を借りて奇跡を起こしているのなら、世の中を良くすることに手を貸しているわけで、おかしくありません?……ということです。