昌彦語る

親父の世界は俺の世界そのものだった
俺が先にボケたら、親父は悲しむだろうか?
いや親父はもうボケ始めてるのだから、互いに親子とは分からず激しい諍いを起こすかもしれないし、改めて互いに親子とも分からず一目惚れして新鮮な気持ちで愛し合えるかもしれない
でもその事すらも俺たちは理解出来ずに本能に動かされて行動するだけかもね

そう言うと昌彦はタバコに火を点け深く吸うと、遠い目をして空を見上げた