■邪馬台国の女帝「卑弥呼」

 日本史最大のミステリーの一つである邪馬台国の女帝「卑弥呼」。彼女の生涯にしても邪馬台国の存在についても、いまだ数多くの謎に包まれている。

 一般的に知られている説によると、もともと邪馬台国は男の王が治めていたが、国は混乱し、争いが絶えなかった。そこで不思議な霊力を持つ卑弥呼(175〜247年あるいは248年)を女帝に即位させたという。中国の歴史書『魏志倭人伝』には、卑弥呼が「鬼道(きどう)に事(つか)えて、よく衆を惑わす」(「鬼道」という術を使って政治を行い、人々から信頼を得ている)と記されている。卑弥呼は生涯独身で、弟が補佐して国を治めた。また、千人もの侍女が仕えていたが、実際に卑弥呼の姿を見た者は稀少だったという。卑弥呼の死後、男性の王が即位したが国は再び混乱し、台与という卑弥呼の親族の女帝が即位すると、再び国は安定したそうだ。