京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)や上賀茂神社など、古い神社では、御祭神が降臨する、つまり、顕れることを「御生れみあれ」といい、関連した神事が古来より、とり行われています。

ここでもう一度、海退で沖積平野が形成される様子、「クニウミのアラ」の景色を少し詳しく書いてみましょう。
「川」が運ぶ土砂の堆積で砂州が生まれ、水辺の生き物がすみ、エサを求める鳥が種を運び、葦あしやススキ「芒」の原となり地を固め、人が入り道ができ耕し、クニが生まれてゆく。

クニウミの原風景の「川」と「芒すすき」を組み合わせて「荒」の一文字で表すことができます

このように、古代中国で「死」を意味した「荒」が、古代日本では、流れくる水と成長してゆく植物、つまり拡大してゆくクニのイメージとして受け入れられ、「生、誕生」を意味する「荒あら」に反転しました。